このページの本文へ

仮想アプライアンスやAWS/Azure版も提供

クラウドへのバックアップを実現する「NetApp AltaVault」

2015年05月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

5月28日、ネットアップはクラウドバックアップ製品「NetApp AltaVault」を発表した。昨年買収したリバーベッドの「SteelStore」をリブランディングし、異機種混合の環境でさまざまなクラウドへのバックアップを自動的に行なうソリューションとなる。

クラウドストレージの市場は伸び盛り

 発表会に登壇したネットアップ マーケティング本部 戦略企画推進室 室長 篠木隆一郎氏は、調査会社IDCジャパンのレポートを引用し、ストレージ管理の最大の課題がバックアップの効率化にあることと指摘。今後2年以内に大企業でのデータ保存先としてもっとも伸びが著しいのが、事業者提供のホスティング/プライベートクラウド、あるいはパブリッククラウドになると説明した。一方で、2年以降自社所有の外付けストレージに保存するというユーザーはわずか6%に過ぎないという。「比較的、保守的な大企業でもクラウドへのシフトが確実に伸びている」と篠木氏は語る。

ネットアップ マーケティング本部 戦略企画推進室 室長 篠木隆一郎氏

 ストレージに関してはハードウェアの市場がほぼ伸びないのに対し、クラウドストレージの市場は伸び盛りになる。「この現状はストレージベンダーにおいては不幸なことなんだが、ネットアップについては実は幸運なことだ」と篠木氏は語る。この背景はクラウド、オンプレミスなどをシームレスに統合する「Data Fabric」というネットアップのコンセプトがある。Data Fabricのコンセプトでは単にデータを統合するのみならず、自社のデータをきちんとコントロールできるという価値を持っているという。

 今回テーマとなるバックアップに関しては「低速すぎる」「コストが高すぎる」「リスクが高すぎる「複雑すぎる」といった課題がある。ウインドウ内にバックアップを完了できない、データ量に応じてコストが高くなる、テープの紛失の可能性が高い、複数のバックアップジョブを管理しなければならないといった事情だ。もちろん、バックアップメディアとしてのテープの復権も語られているが、「確かにテープはコスト面でメリットはあるが、リストアにとても手間がかかる」(篠木氏)という。

企業が抱えるバックアップとアーカイブの課題

 こうした課題に対応すべく、今回投入されたのが「Disk to Disk to Cloud」のソリューションとなる「NetApp AltaVault」だ。AltaVaultはネットワーク経由でFASやEシリーズ、他社ストレージのバックアップデータをキャッシュとして格納。格納されたデータはAES256ビットの暗号化と最大1/30の圧縮・重複排除が施され、API経由でパブリック/プライベートクラウドにバックアップを行なう。「どんな種類のクラウドにもデータをセキュアにバックアップできる。テープ運用に比べて、コストを90%削減できる」と篠木氏はアピールする。

AltaVaultのクラウドバックアップ

AWSやAzure向けのクラウドアプライアンスも提供

 AltaVaultは昨年買収したリバーベッドのSteelStoreをベースにしたバックアップアプライアンスで、最新のバージョン4.0でAltaVaultとしてリブランディングした。ハードウェアを刷新することで大幅な高速化が図られているほか、AWSに加えてMicrosoft Azureへの対応や仮想アプライアンスの提供などが実現している。

 製品は3シェルフで288TBの物理容量を実現する「AVA400」のアプライアンスに加え、第3四半期中には大容量の「AVA800」も提供される。最小構成の税抜参考価格は2150万円から。また、地方の拠点や小規模環境向けのVMware/Hyper-V向けの仮想アプライアンスや、AMI(Amazon Machine Image)/AVM(Azure Virtual Machine)形態のクラウドアプライアンスも用意される。仮想アプライアンスの利用可能容量は最大32TBで、税抜参考価格は480万円から。クラウドアプライアンスの利用可能容量はAMIが16TB、AVMが4TB。クラウドアプライアンスはAWS/Microsoft Azureのマーケットプレイスから迅速に導入でき、従量課金で利用できるという。

AltaVaultの3つの提供形態

 AltaVaultはデータを1週間程度キャッシュした後、クラウド側に書き出す「バックアップモード」と、メタデータのみを保持し、格納と同時にデータをクラウド側に書き出す「コールドストレージモード」という2つの保管モードを用意している。バックアップモードでは最大5.5TB/時のスループットなのに対し、負荷の重いコールドストレージモードのスループットは350GB/時になる。

AltaVaultのバックアップモードとコールドモード

 売りは異機種混合の環境での利用に対応すること。対応バックアップソフトはVeritas BackupExec/NetBackupやArcserve、CommVaultのほか、IBM、EMC、HP、デル、マイクロソフト、オラクルなど多岐に渡る。対応のクラウドもAWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなどのパブリッククラウド、NetApp StorageGRID、Cloudian、OpenStack Swiftなどのプライベートクラウドなど22種類(2015年5月時点)におよぶ。篠木氏は、「これほど多くのクラウドをサポートした製品は世の中に存在しない」とアピール。国産クラウドへの対応も進めていく予定となっている。

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード