最先端のシミュレーション技術を活用
そして、3つめには、先進技術の積極的な活用だ。
落下衝撃時の応用解析、電磁波ノイズの解析、基板のノイズ解析などの各種シミュレーションを行い、開発期間の短縮化や早期の不具合発見を発見する「ものを作らないものづくり」、ものを作らないものづくりから得た設計データをもとに、工程分析などに活用し、ラインシミュレータによる効率的な作業環境の実現や、ロボットシミュレータによるロボットを活用した工程の実現などによる「デジタル生産」。3Dスキャナーなどによるバーチャルリアリティや、3Dプリンターによりその場で試作するラピッドプロトタイピング手法を実現する「デジタル工房」などにも取り組む。
震災を乗り越えて、世界トップレベルの工場として復旧
さらに、富士通アイソテック自らも開発、設計を行う体制を敷いているほか、設計開発部門の本拠がある川崎工場と連携がしやすい「地の利」も、国内生産ならではの強みにつながっている。
「2011年3月には、東日本大震災による震度6弱の地震が直撃。操業を停止したものの、38日後には富士通アイソテックでの生産を完全復旧させた。こうした試練を乗り越え、丸20年をかけて、累計生産2000万台を達成した」と岩渕社長。「これに満足することなく、世界トップレベルの品質、コスト、納期、環境を実現し、今後も、福島でのモノづくりにより、地域への貢献、および循環型社会の形成に貢献していきたい。3000万台、4000万台に向けて一層努力する」と続ける。
富士通 ユビキタスプロダクトビジネスグループ長の齋藤邦彰執行役員常務も、異口同音に、「富士通アイソテックによる国内生産は、2000万台で終わるつもりはない。デスクトップPCそのものの形は変わるかもしれないが、ずっと、MADE IN JAPANでがんばりたい」とする。
2000万台の生産を達成した富士通アイソテックの次なる挑戦が始まることになる。
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