シュナイダーエレクトリックは1月27日、2015年の事業戦略説明会を開催した。同社代表取締役社長の安村義彦氏は、「One Schneider」のポリシーで顧客と連携するなど、3つの事業戦略を掲げた。
シュナイダーはエネルギー管理のスペシャリスト企業として、「受配電/ビルディング」「エネルギー」「インダストリー」「IT」という4領域で事業を展開している。IT領域では、APCブランドのUPSなどの電源装置、空調装置、それらの統合管理ソフトウェア(DCIM)、データセンターライフサイクルマネジメントといった製品/ソリューション/サービスを展開している。
IT事業本部としての今年の事業戦略はすでに発表されており(関連記事)、今回の説明会では4つの事業領域全体の包括的な戦略が語られた。
安村氏は、日本のマーケットトレンドに対応すべく、エネルギー効率化や生産性向上、グローバル対応、既存の設備(ビルなど)に付加するソリューションなどを提案していくと述べ、次に挙げる3つの事業戦略を掲げた。
まずは「既存ビジネスの強化」。たとえばIT事業領域では、APCブランドの製品だけでなく、データセンター周辺ソリューション、コンサルティングなどに展開を拡大しており(関連記事)、今年もこの“製品からソリューションへ”という動きを進めていく。また今年1月にはフィールドサービス事業部を立ち上げており、あらゆる顧客に充実したサポートサービスも提供していくとした。
ちなみに、認知度の高いAPCなどの製品ブランドは引き続き維持されるが、新たに提供されるソリューションは徐々にシュナイダーブランドとなり、さらにソリューションの比率も増えていくだろうと、安村氏は説明した。
事業戦略の2つめは「One Schneider」である。従来は、顧客企業に対して事業部ごとに対応してきたが「今期からはOne Schneiderポリシーとした」(安村氏)。具体的には顧客ごとに主担当を配置し、シュナイダーグループが持つすべてのソリューションを提案できる形にしたという。「ただし、非常に専門的な話になった際には、各事業部からバックアップする」(安村氏)。たとえば工場の顧客に対し、FAシステムと同時にコンピューター用のUPSを提案できる、といったイメージだ。
事業戦略の3つめは「新規ビジネスの戦略的な立ち上げ」を挙げた。その具体例として、昨年から実証事業をスタートしているデマンドレスポンス事業を紹介した。