家計簿は手書きからアプリの時代へ! 入力の簡易化が継続の鍵
2015年、挫折した経験がある人こそ家計簿アプリで無駄を省いては?
2014年12月29日 09時00分更新
『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……?』
そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。
家計簿アプリは分散状態
消費税が8%に上がって以来、節約のために家計簿をつけているという人も多いのではないだろうか。少し古いデータとなるが、NTTコミュニケーションズの「現代ビジネスパーソンの家計簿実態調査」(2011年12月)では、家計簿を付ける人は付けない人より貯蓄額が71万円も多いと記されている。
ただ、良いこととはわかっていても、なかなか続けられないのが家計簿でもある。ここで登場するのが、スマホで手軽に付けられる家計簿アプリだ。ユーザーにも少しずつ受け入れられ始めているようだが、いったいどのぐらい使われているのか? 利用状況やシェアについて見ていこう。
まずはこの分野でどんなサービスやアプリがあるのかから。Zaimが運営する「Zaim」は2011年7月にスタート。執筆時点で約250万人が利用している。マネーフォワード運営の「マネーフォワード」は2012年12月開始で、執筆時点でユーザー数は180万人となる。家計簿アプリ自体、スマホが普及してから誕生したまだまだ新しい分野なのだ。
では家計簿アプリの利用率はどのくらいなのだろうか? 10~60代を対象としたインターネットコムとgooリサーチの調査(2013年9月)によると、家計簿を付けている人は41.1%、付けていない人は58.6%と、約4割が家計簿を付けている結果となった。
家計簿の記録方法で最も多かったのが、「PCのExcelなど」(34.1%)。続いて(紙の)「ノートなど」(25.9%)、「市販の家計簿手帳(雑誌の付録を含む)」(25.3%)、「スマートフォンアプリ」(16.4%)、「携帯電話のメモなど」(4.0%)となった。1年半ほど前の調査では、スマホアプリで家計簿をつける割合は、全体の約16%にとどまる結果となった。
入力の簡易化が継続の鍵
具体的な利用アプリについて見ていくと、スマートフォンアプリの使用状況は、「かんたん家計簿」(32.4%)、「Zaim」(10.8%)、「ReceReco(レシレコ)」(6.8%)、「ココマネ」(5.4%)、「ぶたコレ」(4.1%)などとなっていた。「かんたん家計簿」が頭一つ飛び抜けているが、家計簿アプリには様々なものがあるため、全体には利用が分散し、決定的なものはないという状況のようだ。
主にどのアプリを使っていますか? | |
---|---|
かんたん家計簿 | 32.4% |
Zaim | 10.8% |
ReceReco | 6.8% |
ココマネ | 5.4% |
ぶたコレ | 4.1% |
レシーピ! | 2.7% |
Dr.Wallet | 1.4% |
その他 | 36.5% |
インターネットコム/gooリサーチ「家計簿に関する調査(2013年9月)」より抜粋
2013年10月にエンジニアtypeとApp Apeが調べたところによると、家計簿ジャンルのアプリ所持率は対、前月比でほとんどのアプリの所持率が低下気味であり、所持率上位のアプリでもMAU率(月に一度以上活動があった利用者数)は低下傾向にあったという。入れ替わりが激しく、利用が定着しづらいジャンルであることを示している。
家計簿アプリはレシートを元に日々入力し続ける必要があるため、入力の簡単さや継続させる仕組みが重要ということだろう。
だから多くのアプリが鋭意工夫している。たとえばZaimでは、レシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、日付、金額、店舗名などの情報を読み取ってくれる「レシート読み取り機能」、銀行やカードなどの入出金の記録を「自動反映する機能」などが導入されている。収支の記録をする手間が大きく低減し、続けやすくなる。クックパッドと連携し、家計簿の入力から自動で特売情報を知らせて買い物を促すなど、使い続けることで得られるメリットも用意している。
これらの調査後、現在までの間には、230万ダウンロードを達成した「2秒家計簿おカネレコ」、撮影したレシートをオペレーターが入力代行する「Dr.Wallet」など、様々な家計簿アプリも次々と誕生している。
まだ決定的なシェアを握っているアプリが存在しないジャンルだけに、いかにユーザーにとって「続けやすく、管理をしやすくするか」がシェア拡大の鍵を握りそうだ。
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