その年の世相を表す「今年の漢字」が、2014年は“税”に決まった。10%の消費増税は延期となったが、廃止になったわけではない。いずれは増税される日がやってくるのだ。
その増税を乗り越えるためにも、生活費は少しでも節約したい。真っ先にそのやり玉にされるのは電気代だろう。エコなのはいいことだが、PCの性能はなるべく落としたくないというのが本音だ。
そこで着目したいのがローエンドのGPUである。ASCII.jp諸兄の多くが、余裕のスルーを決めてしまうであろうものだ。今回紹介するGeForce GT 730もそんなGPUのひとつ。
その要因として、ゲームをするならばハイスペックなGPUを選ぶし、ゲームをしないのであれば内蔵GPUで事足りるという実情がある。
またエコPCを考える場合でも、内蔵GPUで済ませてしまうと、内蔵GPUで動作するゲームタイトルやCUDA、OpenGLなどを使用するアプリケーションの場合も、多くのシーンで問題がない。
では、どうしてローエンドに属するGeForce GT 730なのか? それはワットパフォーマンスにある。CPUに内蔵されたGPUと大差のない消費電力で、内蔵GPU以上にグラフィックス性能をアップできる。
場合によっては内蔵GPUより外付けGPUのほうが消費電力が低くなるという。そう担当編集が力説するので、今回はその検証をしてみよう。
ロープロファイル対応でファンレスな
ASUSのGeForce GT 730
編集部から届いたビデオカードは、ASUS「GT730-SL-1GD3-BRK」。GPUにNVIDIA GeForce GT 730を搭載している。コアクロック902MHz、メモリークロック1600MHz、メモリーバス64bit、ビデオメモリー1GBといった仕様で、HDMI×1、DVI×1、D-Sub×1を備えている。
またファンレス構造であるため、大型のヒートシンクを備えている点は、見た目での大きな特長といえるだろう。
接続は、PCI Express x8。少し古く、かつケースの小さいPCにも取り付けられる可能性が高く、そういった環境でのスペックアップ用としてもいい位置にあるビデオカードだ。
数あるGeForce GT 730搭載製品の中で、なぜASUSを選んだのか? それは、製品に付属するASUS独自ツールの「GPU Tweak」にある。GPUコアクロックやメモリークロックを変更できるGPU-Zベースのツールだが、他社にない機能としてフレームレート固定機能がある。
GPU負荷の低いゲームでもGPUはフルで動作してしまうため、無駄な電力消費と発熱が行なわれている。しかし、この機能を使ってフレームレートを30fpsなどに固定してしまえば、GPU負荷は低下。おのずと消費電力や発熱はダウンすることになる。
もちろん、ゲーム側の設定でフレームレートを固定することもできるが、「GPU Tweak」ならGPUコアクロックとともに調節して設定を保存しておけば、より低消費電力でのゲーミングも可能だ。
GPU負荷をそれほど要求しないゲームタイトルの場合、ゲーム側の仕様が30fpsであることが多く、またそういった場合はGPUをフル稼働させる必要性はない。とくに小型なケースでGPU性能を求めるとまず直面するのが発熱問題なので、こういった機能は地味ながら重要なものだ。
そして、Super Alloy Power(高品質電源回路)を搭載していることも、ASUSを選んだ理由の1つだ。これは、各種部品に独自調合した素材を用いることで高い耐久性や安定性を実現するASUS独自の機能で、下記の機能で構成されている。
Super Alloy Powerとは? | |
---|---|
Super Alloy Power | ビデオカードに搭載する各種部品の素材に独自に調合したオリジナル素材を使うことで、部品寿命や安定性、オーバークロック耐性の向上を実現したASUSオリジナルの高耐久高性能部品の名称 |
Super Alloy MOS | 一般的なMOSFETチップより小型化を実現しつつ、対応電圧を向上させている。Super Hybrid Engineと組み合わせて最大15%性能がアップする。 |
Super Alloy Capacitor | 従来から最長2.5倍の長寿命を実現するキャパシター(コンデンサー)。最大35℃の低温化を実現している。 |
各部品の性能向上の数値は、リファレンス準拠の設計とASUSが独自に比較した数値になる
GPUクーラーこそメーカーオリジナルだが、基板はリファレンス準拠のママというビデオカードが多いなか、ASUSは高い品質と安定性、オーバークロック耐性を生み出す各種部品や設計へのこだわりをしっかり施しているのはうれしいところだ。