ハイレゾウォークマンにも載っている
音質向上機能「DSEE HX」搭載の「Xperia Z3 SO-01G」
前モデル「Xperia Z2」でUSBデジタル出力によるハイレゾ再生を実現したXperiaは、「Z3」でステレオミニジャック経由、つまり単体でもハイレゾ再生が可能になった。
ケーブルでUSB DACとつないで聴くもよし、直接ヘッドホン/イヤホンを差して聴くもよし。2通りのハイレゾ再生が可能な、オーディオファンに照準をあわせたスマートフォンなのだ。
Xperia Z3では、ハイレゾのファイルフォーマットとして一般的なWAVとFLACに加え、アップルユーザーにはなじみ深いApple LossLess(ALAC)をサポート。USB経由では最大192kHz/24bit、ステレオミニジャック経由では最大96kHz/24bitの出力に対応する。
今回はテストしていないが、PCM変換によるDSD再生(2.8MHz)も可能だ。
音質向上機能「DSEE HX」の搭載も見逃せない。CDクオリティー(44.1kHz/16bit)の音源にビット拡張とアップサンプリングを施し、最大192kHz/24bitに拡張するこの機能は、特にMP3やAACなど高域情報が失われた圧縮音源の再生に有効であり、ハイレゾらしく聴かせてくれる。
前述したK2HDプロセッシングと効能は似ているが、ソニー独自のノウハウが生かされており、出てくる音のニュアンスは若干異なる。
ビットレートなどエンコード時の設定にもよるが、MP3やAACといった非可逆圧縮(ロッシー)コーデックでは、高音域となるほど情報量の割り当て(ビットアサイン)が少なくなり、15kHzを超えるあたりからCDのナイキスト周波数である22.05kHzまではビットアサインが行なわれないことが一般的。
しかしDSEE HXでは、圧縮により失われた高域成分を中低域成分から推定することである程度復元し、CDクオリティーの音へ近づける。
Daft Punkの「Random Access Memories」をイヤホン直差しで聴いてみたところ、音場の広がりとボーカルの定位の明瞭さにしばし興奮。
CDからリッピングしたWAVとDSEE HX+圧縮音源を聴き比べると、スネアやハイハットの粒立ちが鮮明で、情報量の多さを実感できる。イヤホンを差すだけで楽しめることを考えると、費用対効果は抜群だ。
なお、USB経由で出力したときの音質インプレッションは、本特集後半の回に持ち越しとさせていただきたい。
ほかにもある! ハイレゾ対応スマホ
NTTドコモの2014-2015冬春モデルでは、ほかにも「ARROWS NX F-02G」「AQUOS ZETA SH-01G」「GALAXY S5 Active SC-02G」など、ハイレゾ対応スマホがラインナップされている。次回はこの3機種の試聴を行なってみたい。
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