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超高精細IGZOを試作 - 4.1型で2560×1600表示 / 736ppi

2014年11月11日 21時00分更新

文● 大河原克行

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中国スマートフォンメーカーからの要望に対応した

 シャープでは、今回の新たなIGZO液晶パネルは、中国スマートフォンメーカーからの要望に対応したものであることに言及する。

 世界のスマートフォン市場では、中国メーカーの市場シェアが拡大しており、現在約3分の1を占めているとみられ、これが2017年には4割を占めると想定されている。シャープでも、今年度は上期で8社、下期には15社の中国スマートフォンメーカーに液晶パネルを供給。売上高の4割近くを占めようとしている。「中国スマートフォンメーカー向けへの供給では、収益性の高いフルHDやWQHDといった高精細ゾーンが大半を占めている」という。

中国セットメーカーの販売台数、シェア見通し

中国スマートフォン向け受注の精細度推移

スマートフォン用液晶の売り上げ推移と中国ユーザーの拡大

 シャープによると、中国では、スマートテレビやタブレットやノート PCにおいて、4K パネルの搭載が進んでおり、一部のユーザーからはスマートフォン向け4Kパネルに関する問い合わせも出始めているという。また、4Kスマートフォンの登場が、4Kコンテンツの広がりにも貢献すると見込んでいる。

 「4K2Kスマートフォンへの搭載も視野に入れるが、導入時期はあくまで顧客次第のため、ユーザーニーズに応じた最適な画素密度を実現する」とした。

4Kスマートフォンの登場が、4Kコンテンツの広がりにも貢献すると見込んでいる

 同社では、今回のIGZO技術の進化を受けて、従来通り、最先端パネルはシャープ三重第3工場で取り組み、LTPSによる生産を続ける一方で、スマートフォンやタブレットなどへの4Kモバイル機器向けパネルの需要増には亀山第2工場を活用。IGZO技術を進化させて、LTPS並の高精細パネルが生産できる体制構築を目指す。「亀山第2工場の第8世代のコスト競争力には優位性がある。キャパシティとコスト力を生かして、ボリュームゾーン市場の攻略を担うことになる」としたほか、「IGZOの物性的な強みがどんどん表面化しており、今後LTPSに取って代わる可能性も否定はしない」とした。

最先端パネルはシャープ三重第3工場で取り組み、LTPSによる生産を続ける。亀山第2工場は、スマートフォンやタブレットなどへの4Kモバイル機器向けパネルの需要増に活用する

 また、「今回開発した高精細化技術は、中小型液晶パネルにおいて基盤となる技術。デバイスの高性能化に大きく貢献する。この技術をより一層進化させることで、FFD(フリーフォームディスプレイ)の高精細化や、MEMS-IGZOタブレット向けパネルなど、既存にないアプリケーションの創出に貢献。また、高精細化技術は、マンモグラフィにおいてX線量を劇的に減らすことにも応用が可能であり、医療向け機器の性能向上にも寄与できる。IGZOを核として、時代を先取りする製品を創造していく」と述べた。

IGZO搭載商品の技術と進化

IGZOを核として、時代を先取りする製品を創造していくとした


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