シャープは、IGZO技術を採用したスマートフォン向け超高精細 4.1 型液晶パネルを試作したと発表した。
WQXGA(2560×1600ピクセル)、画素密度736ppi
開発した4.1型液晶パネルは、WQXGA(2560×1600ピクセル)の解像度を実現。一般的なスマートフォンで採用されている4.7型 HD液晶パネルが画素密度約312ppiであるのに対して、試作品では736ppiを実現。このパネルを使用し、同一画素密度を維持して6型サイズにすると4Kパネルとして利用できるという。
一般的なカラー印刷の精細度は400ppi程度であり、700ppiを超える今回のパネルは、「グラビアを超える解像度を実現するものになる」(シャープ 代表取締役兼専務執行役員デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏)という。
現時点でLTPS(Low Temperature Poly-silicon、低温ポリシリコン)では540ppi、従来のIGZOでは480ppiが最大だった。
試作品では、IGZO-TFTの構造をシンプルにすることで開口率を高め、画素サイズを約4分の1とする画素密度の向上に成功。2012年の量産時を100とした場合、約65程度にまで、画素内トランジスタ面積を縮小している。
2015年にサンプル出荷を開始、2016年度の量産化を目指す
「高精細化は LTPS が得意としていた領域であったが、IGZO技術を用いることで同等のものができるようになった。スマートフォンやタブレットなどに加え、ノートパソコンやモニター用高精細パネルとしての利用も想定している。その一方で、LTPSでは難しいとされるタブレットサイズ以上の中型ディスプレイにも適用可能になる点は大きい。2015年にサンプル出荷およびデザインインを開始し、2016年度の量産化を目指す」としたほか、「今後、さらに技術を高めることで、IGZO 技術を採用した4K 向けスマートフォンパネルの開発につなげる」(シャープ 代表取締役兼専務執行役員デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏)とした。