独シーメンス(Siemens)は8月6日、道路上に張られた架線から給電した電気トラックが走行する「eHighway」のシステムを米カリフォルニア州より受注したと発表した。
eHighwayは同社が研究開発を進めていたプロジェクトで、トラックの屋根にあるパンタグラフから集電して電気だけで走行する。道路はロサンゼルスとロングビーチ間30kmで、どちらも大きな港を持つことから2都市間の物流が盛んなため、貨物トラックを電化することで環境負荷を大幅に引き下げることができると考えられる。
いわゆる“トロリーバス”と同様の方式だが、ハイウェイ以外は通常のディーゼルエンジン(車種によってはバッテリーや圧縮空気で走る)などで走るなどハイブリッド技術を導入、他車両を追い越す際も自動的にエンジン駆動に切り替わり、車線に戻ると自動的に接続するなど統合的な制御が導入されている。パンタグラフは各種センサーと制御システムによりアクティブに可動して架線を追従して接触を保つ。さらに、減速時には電車同様に回生ブレーキで発電、架線に電力を戻すという。
シーメンスではボルボグループと共同でプロジェクトを進め、2016年夏には全線の試験運用を開始する予定。