中国随一のノンブランドスマートフォンが集まる市場が、香港に隣接する深センの「華強北」にある。
華強北のPC、電子パーツ、ケータイマーケットは非常に広いが、数あるビルのひとつ「桑達電子市場」が、タブレット専門のマーケットとなっている。
深センを訪ねるたびに、異彩を放つ桑達電子市場で中華タブレットの今をチェックしているが、空きテナントはなく、一見すれば以前と変わらず元気な市場のように見える。
中国ではiPadを筆頭に2013年には2000万台のタブレットが販売され、2000~2499元(3万円強~4万円)という価格帯のタブレットが人気(中国電子信息産業発展研究院発表)となっているが、このマーケットでは5000円でお釣りがくるものすら販売されている。
まとめ買いに対応している市場であり、話によれば今では最安のタブレットは180元(3000円弱)から購入できるとか。180元の製品しかり、比較的ハイスペックの製品しかり、最近では最安価格で販売した場合、1個につき5元(約80円)しか儲けが出ないというから、かなり厳しい状況となっている。
深センで年間600万台受注を受けるタブレット産業を支えるのが、中国市場と、加えて東南アジアやインド方面からの引き合いだ。
最近では深センのメーカーが、タイの小学1年生向けタブレット80万台生産受注を受けるというニュースがあった。体力と信頼があるタブレットメーカーは生き残れそうだ。
桑達電子市場の製品を見ると、「MediaTek」(聯発科技)のチップばかりが出回っているため、同社搭載製品ばかりが目に付く。中国全体でMediaTek以上に搭載されている「Allwinner」(全志)や、「Rockchips Electronics」(瑞芯微電子)搭載製品も意識して探せば見つけられる。販売価格はアキバの出物と比べてもグッと来る安さ。
実際見てまわると好きな人は、「おおっ、MediaTekのMTK~採用製品があるぞ!」となり、楽しい。問題は値段が不明な点で、例外なく相手が無知と分かれば高めの値段を言ってくる。個人向けECサイトの「淘宝網」(TAOBAO)や、B2B向けECサイトの「阿里巴巴」(Alibaba)でじっくり相場をチェックしてほしい。
(次ページに続く、「中国全体では微妙な位置にあるタブレット」)
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