ウイグルの騒乱でネット規制強化
スマホの普及も一気に進む
2009年にはウイグルで騒乱が起きたが、このタイミングでTwitterやFacebookにアクセスできなくなる。一方で、政府が禁止ワードを入れないためのクライアントソフト「グリーンダム」を強制しようとして、中国でのネット規制が広く知られるようになる。現在のネット規制の環境はこの時できあがる。
2010年以降はオンラインショッピングの盛り上がりが目立った。ネット発の独り身の祭り「双棍節」が転じて、オンラインショッピング祭りとなり、毎年記録的な金がオンラインで動いた。
オンラインショッピングサイトがいくつか台頭する中、主役は「淘宝」(Taobao)から、より信頼できるサイト「天猫」(Tmall)に移った。また、モバイル機器の定番OSがSymbianからAndroidに一気に移ったのもこの年だ。
大きな変化は2013年に起きる。3Gの利用料金が一気に下がり、気軽に利用できるようになり、スマートフォンでのネット利用が一気に普及した。
また微博は、オピニオンリーダーへの取り締まりにより人気が低下。代わりに騰訊の「微信」(WeChat)がSNSの主役になった。
さらに「淘宝」「天猫」で利用する電子マネー「支付宝」を運用する投信「余額宝」の台頭や、オンライン限定の保険など金融商品が登場。ネットでの少額投資が身近になった。
今年はこれに加えてネットとリアルの融合や、ネット業と金融業をはじめとした異業種提携が行なわれるだろう。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)。
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