2月13日、A10ネットワークスはDDoS対策専用の「A10 Thunder Threat Protection System(TPS)」(以下、Thunder TPS)を発表した。ADC(Application Delivery Controller)であるThunder ADCのDDoS防御機能をベースにハイパフォーマンスなセキュリティアプライアンスに仕上げた。
DDoS攻撃の大容量化に対応
Thunder TPSは、大容量のトラフィックを流すボリューム攻撃、プロトコルスタックを狙うプロトコル攻撃、リソース消費を目的としたリソース攻撃、そして脆弱性を狙うアプリケーション攻撃など、30種類以上の攻撃に対応する専用アプライアンス。もともとロードバランサーとして用いられることの多いThunder ADCは、サーバーの手前で常時インターネット側からの攻撃を受けており、セキュリティ対策が充実しているという。このうちDDoS防御の機能を切り出し、アプライアンス化したのがThunder TPSになる。
Thunder TPSの特徴は、ハイエンドモデルで最大155Gbpsというスループット。PPS(Packet per Second)でも200Mppsを実現し、他社に比べて“桁違いのパフォーマンス”を実現するという。セキュリティ処理を専用に行なうFTA-3+(Flexible Traffic Accelerator)のチップやマルチコアCPU・共有メモリアーキテクチャに対応するACOSプラットフォームを採用したことで、こうした高いパフォーマンスが得られるという。
Thunder TPSを投入した背景には、DDoS攻撃が数百ギガビットレベルに大容量化している点が挙げられるという。A10ネットワークス代表取締役社長 兼 CEO、米A10ネットワークス アジアパシフィックジャパン担当 ヴァイスプレジデント 小枝逸人氏は、「DDoS攻撃も、もはやアタックされるかどうかではなく、いつ、どのような規模でアタックされるかという現状に移っている。身近なもので例えれば、地震と同じだ」と述べ、DDoS対策の重要性をアピールした。小枝氏は、あわせてパートナービジネスを中心とした日本での成功事例をアジアに展開していくべく「APJビジネス本部」を新たに設立することも発表した。
A10 Thunder Protection Systemは、最大38Gbpsの「4435 TPS」、最大77Gbpsの「5435 TPS」、最大155Gbpsの「6435 TPS」などのほか、SSLハードウェアを搭載したモデルが用意される。価格はオープンプライス。コンテンツプロバイダーや一般企業に最適なThunder ADCに対し、Thunder TPSでは大手のISPやクラウド事業者、政府機関や金融などをターゲットとする。