グローバルスマホの競争でも電子デバイスには強み
だが、その一方でこんな指摘もする。
「ガラケーに比べると、スマートフォンの駆動時間はまだ短い。スマートフォンは、機能や操作性の進化だけでなく、省エネ性能においても、まだ多くの改善余地がある。ここを満足させることができる電子部品・デバイスを開発することで、日本の電子工業が、この分野をリードできないかと考えている」とする。
電子工業のうち、国内生産の比率が最も高いのは、電子部品・デバイス。そうした観点からも日本の企業が強みを発揮できる分野であるといっていい。超円高のなかでも、50%の国内生産を維持してきたことは、それを証明するものといっていいだろう。
成長著しい個人向けモバイル端末においては、競争の激しい最終製品での戦いよりも、付加価値が高く、日本の企業の技術力が発揮できる電子部品でこそ優位性が発揮でき、成長の「果実」を享受できるというわけだ。
だが、佐々木会長は、こうも語る。
「設備投資減税などの取り組みもみられている。だが、電力コストなどを含めた産業競争力を維持するようなインフラ政策を推進してもらいたい」と、政府に対する提言活動を加速する考えを示す。
企業に対する税制措置の遅れや電力値上げといった懸念材料も払拭し切れていない。世界的な競争力を維持するための数々の政策にも、業界関係者の注目が集まる。
産業競争力の維持に向けた政策の推進は、この数年、苦しい経営環境を余儀なくされてきた電子情報産業のトップとしては、当然のひとことだといえよう。
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