東南アジア各国で日本のアニメ・マンガ関係のイベントが行なわれている。
ベトナム最大の都市「ホーチミンシティ」で開催されるイベント「Manga Festival」もそのひとつ。「オタクの子達が集まれる場所を有志で作っていこう」という動きがある中でコミケ的に誕生したこのイベント。今回参加することができたので、その様子をレポートする。
会期は7月26日~28日までの3日間で、筆者が行ったのは3日目。その日のテーマは「コスプレ」(1日目がアニソン、2日目がDJによるボカロ曲紹介)。
出店している店こそ同じだが、ステージではコスプレ関係のイベントが行なわれ、また会場中でコスプレイヤーを見かけた。ベトナムのManga Festivalにおいても、コスプレイヤーは誰もが主役であり、後日会ってみたら内向的な感じの女性もイベント当日はここぞとばかりに演じていた。また撮影部隊を擁した本格的なコスプレイヤーもいた。
このイベントは「Manga Festival」であり、そこにJapanの文字はなく、あくまでマンガ的なサブカル全般を楽しむ祭りだから、ミリタリー系のコスプレイヤーもいれば、スーパーマンなど米国系コンテンツのコスプレイヤーもいたし、中国の中世ファンタジー(武侠)系コスプレイヤーもいた。
けれど、やはり一番多いのは日本のコンテンツのコスプレイヤーだった。日本のゲームはあまり流行っていないのか、この手の中国のイベントではよく見るコンシューマーゲーム系のコスプレイヤーは見かけなかった。
コスプレイヤーだけでなく、痛車もあり、東方の対戦格闘ブースもあった。ステージ上でもベトナム人が「この人ネイティブの日本人か!?」と思うほど上手に日本の歌を歌い上げた。
また、スペシャルゲストとして福岡のご当地アイドル「Rev. from DVL」が登場。「残酷な天使のテーゼ」などアニメソングを歌い始めると一気に会場のボルテージが上がるあたり、やはりエヴァンゲリオンレベルの有名なコンテンツは多くの人が見ているようだ。
映像面で初音ミクライブパーティー(ミクパ)のようなことを実現しようとしてPCがフリーズするというトラブルが起きた。2年連続でイベントに参加しているアニメ監督の芦名みのる氏は「透過スクリーンで3D表示をやりたかったのですが、初日は結局普通のスクリーン投影、2日目はちょっと流しました」「またDJプレイのときは、途中でマシンが落ちましたが、一応3Dでないスクリーンには映像が流れてました」とトラブルについて語った。
また、使用したPCについて「あのレベルの映像イベントをこなすには、ゲーミングPCレベルを機材を予備を含めて3台は用意するのですが、地元ホーチミンシティの金持ち向けの電気屋さんでもCore i 5レベル、グラボなしのものしか置いてなかったのです」と吐露し、「ハイスペックPCはベトナムの人には遠い機材なのでは? とイベント経験者として思いました」と機材調達の難しさについて話した。
ただし「緊急時に感じたのは、ベトナム人の忍耐力の強さ。結構トラブルで待機が長かったのですが、皆ちゃんと待っていました」と、ベトナム人の忍耐力に感心していた。
ブースで販売されているものは、ほとんどが日本のコンテンツ絡みのモノ(若干韓流スターグッズ売り場も)。「ねんどろいど」など日本から直輸入したものもあるが、キーホルダーなど、その多くが中国で作られ、中国でも売られているアンオフィシャルなパッケージだ。
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