日本ではスマホ向けCPU(SoC)は、Qualcommの「Snapdragon」を筆頭に、NVIDIAの「Tegra」やサムスンの「Exynos」が追随し、変わったところでASUS「Fonepad」に搭載されたIntelの「Medfield」こと「Atom Z2420」もあり、ちょっとしたCPU競争が起こっている。海のムコウの何でもアリの中国では、さらにCPU競争が激しくなっている。
中国で現在発売されている機種、ないしはまもなく発売される機種で、Snapdragon採用機種は582機種、Tegra採用機種は33機種、OMAP4460をはじめとするTI製CPUを採用した機種が582機種ある。
Exynos採用機種は63機種。Exynos機種=サムスンと思いがちだが、レノボをはじめとした中国メーカーからも採用機種がリリースされている。Medfield搭載機種は5機種で、特にレノボの「K900」(Atom Z2580搭載)が有名だが、レノボ以外にもZTEが近々搭載スマホをリリースする予定だ。
レノボのK900は現状16GBモデルが2850元(4万5000円強)、32GBモデルが3500元(5万6000円強)と決して安くはなく、また以前同社が発売した世界初のIntel CPU搭載スマホ「K800」が2万台しか売れなかったという過去がある。
しかし製品の検索数において人気のGALAXY SやiPhone5に次ぎ、スマートフォンに関心のある人の間では気になる製品のようだ。レノボの売り場でも、K900はK800よりは力を入れており、K800よりはいくらなんでも成功するのではないかと思うところ。
さて、昨年末より中国で存在感を強めているプレーヤーが、初のW-CDMAとTD-SCDMAのデュアル3G SIMに対応したクアッドコアのチップ「MT6589」シリーズをリリースした「聯発科技(MediaTek)」。
MT6589はCortex-A7を採用し、クロック数は最高で1.5GHz。またグラフィックコアは「PowerVR SGX 5XT」を採用し、解像度は上位機種でフルHD、下位機種で540×960ドットに対応する。
MediaTekといえば、スマホと3Gが普及していない頃、ノンブランドケータイこと山寨機(シャンジャイジ)向けにSoCを供給。中国の貧しい地域での携帯電話普及率アップに貢献したどころか、新興国に山寨機を大量に輸出し、人々にカメラと音楽プレーヤー機能つき携帯電話を普及させた影の立役者である。
中国オンリーのTD-SCDMAにも対応しているというと中国専用チップと解釈されそうだが、実はインドやマレーシアなど、中国国外でも安価なW-CDMAを片方にもつデュアルスロット搭載機種として、MT6589搭載機種が販売されている。
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