空冷オーバークロックでも
4.5GHz駆動を確認
今回はクロック倍率可変の“K”モデルを利用してテストを行なったため、最後にオーバークロック時のパフォーマンスもチェックしてみた。テスト環境は標準クロックでの検証とほぼ同じだが、メモリーはDDR3-2800対応のオーバークロックメモリーに、CPUクーラーはEnermaxの大型空冷クーラー「EST-T40-TB」にそれぞれ変更している。
まずはじめに、BIOSでベースクロックを133MHz、クロック倍率を33倍、CPUクロック最大4.38GHzに設定して計測した。このときの内蔵GPUの動作クロックは1.66GHzで、メモリーの動作クロックは2394MHzに設定した。
結果、標準クロックから大幅な向上が確認できた。CPUは標準クロックより1.1倍以上、GPUはDirectX 11環境で1.3倍以上に向上。また、アプリケーションのテスト結果も大幅に向上している。
ただし、消費電力も大きく増え、CPU高負荷時には219Wと、標準クロックの2倍近くにまで増えた。それでもアイドル時には3W増えているだけで、3770Kのアイドル時よりもまだ少ない。
次に、もう少し上を目指そうと、ベースクロックを125MHz、クロック倍率を36倍、CPUクロックを最大4.5GHzに設定(内蔵GPUの動作クロックは1.56GHz、メモリーの動作クロックは2333MHzに設定)して同じテストを行なってみた。
内蔵GPUクロックが若干下がっているため、3D描画能力はやや落ちたが、それでもCPU演算能力はクロック数に応じてさらに向上した。ただし、「TMPGEnc Video Mastering Works 5」でのエンコードテスト時にシステムがフリーズしてしまい、全テストを実行できなかった。
今回は空冷のCPUクーラーを利用したため、放熱が追いつかずにフリーズした可能性も考えられるが、空冷ながら4.5GHz付近までオーバークロックを目指せ、パフォーマンスもリニアに向上することを考えると、4770Kを利用したオーバークロックは大いに試す価値があると言えそうだ。
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