パッケージの分類 ラッピングとコンテンツの関係
電化製品などを買うと、パッケージに商品イメージが印刷されているものがある。開封しなくても「こんなクールな商品がはいっていますよ」という外側も宣伝広告として利用するする宣伝広告型パッケージだ。コンテンツでいえば、書籍や雑誌に近い。最近はニュース記事でも、本文の引用と書影(しょえい:本の外観)を用いられることが多い。ただ「買ってみたら、中身が期待や想像と違っていた」なんてこともあるのが難点かも。
もう1つは、シースルー型。商品の質感や色などを直接見せて、中身を知ってもらうスタイルだ。その反面、デザインにかなり気をつけないと高級感がややなくなることや、熱圧着された頑丈なパッケージには、開けるのにハサミやカッターが必要になるのがマイナスかも。インターネット・コンテンツでいえば、一部は読めるけれど、「もっと読むには会員登録が必要です」とアラートが出るコンテンツに似ている。
最後は、ブラインドパッケージ型。箱にはブランド名だけで、具体的には何が入っているかはわからないタイプ。コンテンツならメルマガに相当する。この場合、ブランドは著者に相当するので、ある程度名前が知れられているか、よほどの評判にならないと上手くいかないことが多い。
こんなふうに目的に合わせて、コンテンツのラッピングを考えてみると、サイト構造や「情報を提供される楽しみ」のヒントになるかもしれない。
サプライズなラッピング
友人のアメリカ人が、長く付き合った彼女にプロポーズをすることにした。彼は、彼女が寝ている間に、指に石鹸水を塗ってプロポーズの指輪をコッソリとはめておいた。彼女は目が覚めて、しばらくすると、自分の左手の薬指にある見慣れない指輪を見て感激したらしい。その話を聞いて、僕は友人に「もし、彼女がプロポーズを承諾しなかったら、どうするつもりだったの?」と質問した。彼は「もし、返事がNoだったら、指輪をテーブルに置けばいいだけさ」と答えた。それは、ブランドのロゴも箱もないプレゼントだったけれど、そこにはサプライズという演出、見えないラッピングが施されている。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、(株)ビジスパからメルマガ「Magical Branding-セルフブランド活用法-」を配信中。
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