業界人の《ことば》から 第25回
オービックビジネスコンサルタント・和田成史社長の言葉から:
奉行シリーズでは、65%がWindows XP環境で動作している
2013年02月05日 09時00分更新
今回のことば
「2013年、14年、15年は、PC業界にとって大切な3年間になる。大きく盛り上げていきたい」
(オービックビジネスコンサルタント・和田成史社長)
一般社団法人コンピュータソフトウェア協会の会長を務める、オービックビジネスコンサルタント・和田成史社長は、同協会が開催した賀詞交歓会の会長挨拶で、2013年の干支である巳年になぞらえ、「蛇といえば脱皮。2013年は脱皮の年であり、今年はまさに転換期にある」と切り出した。
PCの登場、あるいはインターネット登場以来の変革の年
その理由を2つの観点から説明する。
ひとつは、安倍政権によるアベノミクスへの期待だ。
和田 「大胆な金融政策、民間投資を喚起する成長戦略、機動的な財務戦略という3つの矢は、景気回復に向けて折れることがない矢である。13兆円の補正予算を加えて、20兆円を超える大型予算は、リーマンショック以降、最大級となる。枠が大きくて実施できるのかどうかが心配なほどのボリュームである」
そしてもうひとつは、IT業界特有の流れとして、クラウドの流れに加え、タブレットやスマートフォンによるマルチデバイスやコンシューマライゼーションへの流れといった新たな潮流が見えはじめた点だ。
これを捉えて、「30年前のPC登場以来、あるいはインターネットの登場以来の大きな節目の年になる」とする。
さらに、IT業界特有のもうひとつの動きが、2014年4月に訪れるWindows XPのサポート期間の終了である。
和田 「当社の奉行シリーズでは、65%がWindows XP環境で動作している。世の中全体でも50%以上がWindows XPである。今後、これらシステム全体が変わることになる。すでにそれに向けた準備体制に入っている」
オービックビジネスコンサルタントの和田社長は、こうした要素を指摘しながら、「IT業界には、これだけいい条件が揃っている。アベノミクスと融合することで、IT業界はさらに活性化する。2013年、14年、15年は、PC業界にとって大切な3年間になるだろう。どういうやり方で、どこに目をつけて、どうやっていくかを考えることが必要である。大きく盛り上げていきたい」とする。
この連載の記事
-
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ - この連載の一覧へ