既にあるテレビを「スマートテレビ」に進化させる
しかし、藤本社長はそこにこんな提案をする。
「それならば、いまのテレビをそのままにして、スマートテレビを見てもらったらどうだろうか」
それがジャパンケーブルネットが提案する「Smart TV Box」である。
Smart TV Boxは、KDDIがケーブルテレビ事業者向けに開発したAndroid 4.0を搭載したセットトップボックスで、地デジ、BS、ケーブルテレビ放送の受信に加え、インターネットを利用したさまざまなサービスが利用できる。さらに、Wi-Fiのアクセスポイントも搭載し、自宅のテレビやタブレット端末、スマートフォンなどのWi-Fi搭載機器を利用してコンテンツを楽しむこともできるという。
auのスマートフォン向けに提供している「au スマートパス」のテレビ向けのゲームアプリケーションや、「LISMO WAVE」や「Google Play」のアプリケーションも利用でき、さらに、見たい映像は、インターネット、地デジやBS、CSのほか、録画済みのコンテンツのなかからもシームレスに検索できる機能も提供する。
つまり、すでに購入している薄型テレビにSmart TV Boxを接続するだけで、スマートテレビとしての利用が可能になるというわけだ。
「ケーブルテレビ会社ならではの提案に、auの機能を追加することで、他社には追随できない機能を提供することができる」とする。
月額費用は9450円。「72チャンネルのテレビ番組を視聴でき、インターネットも利用できる。お得な料金」と訴える。
そのほかにもNEC製タブレット「LifeTouch L for JCN」との組み合わせ提案や、ケーブルテレビ、インターネット、音声通話を組み合わせたトリプルプレイの提案なども行い、価格面での優位性を強く訴求する。
ジャパンケーブルネットの藤本社長は、「家族が集まるテレビライフを、もう一度復権したい」とする。
PCに向かってインターネットで視聴することを「壁に向かう」と藤本社長は表現する。
「壁に向かうのではなく、インターネットの世界や、インターネットの楽しさを、お茶の間のテレビで体験してもらいたい」とする。
この連載の記事
-
第594回
ビジネス
自動車工業会は、今年もJapan Mobility Showを開催、前身は東京モーターショー -
第593回
ビジネス
赤字が続くJDI、頼みの綱は次世代有機EL「eLEAP」、ついに量産へ -
第592回
ビジネス
まずは現場を知ること、人事部門出身の社長が続くダイキン -
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? - この連載の一覧へ