消費電力ではFermi世代を圧倒する
単純な馬力ではGTX560Tiを捕まえきれなかったGTX650Tiだが、今のGPUはワットパフォーマンスも考慮してナンボの時代。そこで「Watts Up? PRO」を使ってシステム全体の消費電力を比べてみた。計測のタイミングはPC起動から10分後、およびBattlefield 3テスト実行から10分後。それぞれの時点での安定値を採用している。
ついでに「GPU-Z」を使い、各カードのGPU温度も計測してみた。
アイドル時の消費電力はRadeon系が相変わらず優秀だが、GTX650Tiのピーク消費電力はほどよく抑えられており、GTX560Tiよりも約86Wも落ちているのはさすがKepler! と喜びたいところだ。もちろんGTX550TiとGTX650の落差の凄さも凄いが、ゲーム性能とのバランスを考えると、重量級ゲームでもそこそこのパフォーマンスが出るGTX650Tiの方がコストパフォーマンスに優れているといえよう。
一方、GPU温度はMSI自慢の強力なクーラーのパワーがふんだんに発揮された結果となった。GTX560TiがGTX550Tiより低く抑えられているのは、テストに使ったGTX560Tiカードがクロックはリファレンス仕様だが強化なクーラーを搭載したモデルだったため。それを抜きに考えても、1年前の安価なGPUより20度近く低温になっているため、長時間安心して使えることは間違いない。
結局どのGeForceがお買い得なのか?
今回のGTX650Tiは、HD7850は食えなかったものの、エントリークラスに近いHD7770やHD7750に対しては明らかな優位性を示している。昨年までのNVIDIAは、GPUの性能差を大きくしたため、AMDにオイシイ隙間を占拠されてしまった。
しかし今年(といっても残すところ2ヵ月もないが)のNVIDIAは、製品の性能を上手く調整し、AMD製品を上手く締め出すことに成功したようだ。この原稿執筆時、リファレンスモデルの想定価格は1万4980円だが、これが1万3000円台まで落ち着いてくれば、低予算ゲームPC用の新たな定番GPUとなりそうだ。
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