実ゲームベンチマーク
次はオンラインプレイ時の平均フレームレートが60fpsはほしい「Battlefield 3」で性能を比較。フレームレートはキャンペーン「COMRADES」の冒頭シーンを「Fraps」を使って、60秒間計測している。設定は解像度を1920×1080ドット、描画をプリセットの“最高”にして実行している。
定格クロックと空冷限界クロックのフレームレート差は7~10fpsになっている。ゲームにもよるが、この差があればワンラク上の解像度や描画設定を選ぶことも可能だろう。
GPU温度、ファン回転数、消費電力
最後はGPU温度、ファン回転数、システムの消費電力を計測だ。なお、リファレンス仕様とは基板や補助電源の仕様、VGAクーラーが違うため、参考値としても信憑性が低いため、リファレンスクロック状態での温度や消費電力の計測は行なっていない。また、システム消費電力は、テスト環境にTDP130WのLGA 2011版Core i7を使用しているため、LGA1155より高くなっている点も忘れないでもらいたい。
GPU温度は各種ベンチマーク実行時の最も高い温度をログから抽出したが、空冷限界クロックはファン回転数が100%でも66℃とかなり高い。定格クロックのAUTO設定時でも61℃まで上がっているので、GTX 680のGPUコア温度のボーダーラインは、70度あたりかもしれない。
消費電力もベンチマーク実行中に最も高かった数値を高負荷時の値として抽出している。アイドル時は各種クロックとコア電圧が下がるので、10Wアップにとどまっているが、高負荷時はさすがに電圧アップの影響が大きく、75Wも増加している。
音を気にしなければOCで幸せに
CPUのOC時のような劇的な性能アップとはならず、OCによる性能アップのメリット面と破損や発熱、消費電力、騒音値が増加するデメリット面の天秤は若干デメリット面に傾いてしまうが、ビデオカードのOCも、なかなか効果はあるといえる。
CPUよりも高額になるハイエンドビデオカードだけに、破損の危険がともなう電圧アップは万人向けではないが、OCすることで、より高い性能が欲しくなるユーザー心理が満たされることは間違いないだろう。
その性能には不満のない結果になったが、問題はOC時の音だ。騒音度外視でファンの回転数を最大にしたが、動作中は静音という言葉が吹き飛ぶくらいうるさい。MSIのAfterburner(アフターバーナー)やGIGABYTEの「OC GURU II」などのVGAツールは、複数のOC設定を保存できるので、ゲームプレイ時のみOCするのがいいだろう。
ちなみに、この騒音問題を解決しつつ、冷却面も強化できる方法がある。それが、CPUではすっかりおなじみになっている水冷化だ。というわけで、常用&さらなるクロックアップに期待して、N680GTX Lightningの水冷化にチャレンジしていこう。