どこを見ても元素だ! 元素祭りだ!
と、お勉強テイストではじまった展示は、メインの第3会場、実物元素展示スペースに行くと一気に元素祭りと化す。水素、ヘリウム、リチウム……と周期表にそって、放射性元素など展示が難しいものを除いて、ほとんどの元素が実物で並ぶのだ。すごい。
たとえば水素ならスペクトル管に入った水素(透明で見えないけど)の実物が置かれ、ニッケル水素電池や水素ガスのボンベなど製品を並べる……という構成だ。炭素なら鉛筆の芯やダイヤモンドなど、さまざまな形の同素体も展示されている。
充電池でおなじみのリチウム、卓上計算機で使われたニキシー管のネオンなど、「おう、おまえか!」といった出会いがあるとうれしくなる。水素のところに燃料電池電気自動車(水素燃料)のスケルトンモデルが置かれていたり、関連製品にも熱いものが多い。
宝石は元素レベルで輝き、体重は元素レベルで測定する
実物展示の合間にいろいろな企画展示がある。はじめに見られるのは宝石だ。「組成が全然ちがうから色や輝度に差が出るんでしょ?」くらいに思っていたのだが、たとえばサファイアとルビーはともに基本元素はAl2O3でも、クロムや鉄・チタンなど、わずかに含まれる物質のちがいで色も輝きもまったく異なるものになるという。全然知らなかった。
宝石よりも発光体、そんな男子心をくすぐるのが真空放電で、キセノン/アルゴン/ネオン/ヘリウム/水素という5種類の元素がズゴーと真空放電するところが見られる。おなじみアルゴンのプラズマボールも展示されていて楽しい。
芸術を元素レベルで見るという展示もあり、尾形光琳やフェルメールの絵画に使われた画材が元素レベルで分析されているのはなんとも不思議な気分になった。黄金比をもとに絵を描いていたダ・ヴィンチもそんな気分だったんだろうか。
元素を“測定”できるスペースもあり、その名も「元素体重計」。乗ると、体重のかわりに「どの元素が何kgあるか」というのを表示してくれる。もちろん体をスキャンしているわけではなく標準体重と元素組成から計算した結果を出しているのだが、それでも楽しい。
展示中盤にはタッチ&トライスペースもあり、金塊を手にとれるスペースも! 「ほぉ~これが金塊ですか~」とのんきに持ちあげようとしたら、すさまじく重くてビクともしない。今度からアニメで金塊をバッグにつめて逃げていく場面を見かけたら、ばっかもーんそいつはロボットだー! と思うことにした。