中国の電脳街では、アニメやアイドルが壁紙のデスクトップPCはあっても、日本でおなじみのベンチマークソフトを展示するPCは見かけない。
中国人は日本人と異なり“コストパフォーマンス”を至上とし、金儲けに絡まない限りはあまり個人用途でハイエンドパーツを利用することはない。そもそも、動画エンコードのニーズがあまりないのか、中国のPC系メディアでもエンコードまわりの記事が掲載されることは少ない。
おまけに、最近では電脳街や家電量販店でノートPCばかりを販売するようになり、デスクトップPCはレノボのモニター一体型PCを除いては人気がなくなってきた。
とはいえ、中国には3億2000万人のオンラインゲーム利用者がいる(2011年末)。その多くはオンラインのテーブルゲームなどライトなゲームで遊んでいるのだが、一方で中世の中華ファンタジー世界を舞台にした「武侠」なるジャンルのMMORPGゲームが今も多数リリースされ、数千万人が楽しんでいる。
PCパーツを買ってショップで組んでもらい(PCを自作する人は少ない)、自宅でオンラインゲームをする人は多い。そんな人々に人気の最新パーツは何なのか?
3億2000万人のゲームユーザーが使うPCのスペックは?
中国のPC系メディアの最大手「中関村在線」によれば、CPUはAMDの「Athlon II X4 641」ないしはIntelの「Core i3-2120」と「Core i5-2320」。ビデオカードはNVIDIAの「GeForce GTX 550 Ti」採用で、ちょっと安めの「七彩虹」や「影馳」という中国メーカーのもの。これに4GBメモリーと500GB~1TB HDD、500Wの電源を組み合わせるのがメインストリームのようだ。
同サイトでは「予算3500~6000元(4万4000~7万5000円)でRidge Racer Unboundedがグリグリ動くPCを自作!」という最近パーツ系記事が掲載されており、人気のノートPCよりも高い値段で組む自作PCを提案している。
もちろん、内陸の奥地では「できるだけ安くいいもの」を入手すべく、PCパーツショップで一式購入する客も多くいるが、PC系サイトを見るような都市部のユーザーにとっては、自作PCとはノートPCより贅沢なゲーミングマシンなのだろう。
一方で、インターネットカフェでゲームを楽しむユーザーも多くいる。最近はPCがかなり普及した北京や上海にまでインターネットカフェは進出している。
思うに、数年前のインターネットカフェは学生街などの激戦区において、店の外壁や入口に各PC端末のCPU、GPU、メモリー、モニターサイズが大きく張り出されており、スペックをアピールしていた。
最近のインターネットカフェはどうなのか、PC端末のスペックを知るべく、いくつかのネットカフェを巡ってみた。
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