2012年頭の連載134回でインテルのCPUロードマップを説明したが、4月には無事にIvy Bridgeの製品が出荷開始された。今回はそれ以降の、インテルCPUのロードマップアップデートについて説明しよう。
一部ラインナップは後回しになった
Ivy Bridgeの発表
4月24日に発表されたIvy Bridge世代のデスクトップ向け製品は、Core i7が4製品、Core i5が6製品のトータル10製品である。またノート向けも3製品のみとなっている。この結果として、例えばUltrabook向けのメインストリーム向けは後回しになっているし、デスクトップ向けについても、メインストリーム向けのCore i5に関してはやや手薄な印象を受ける。
当初の予定では、実はもう少し発表される製品数が多かった。というのは、「Core i5-3570/3570T」、および「Core i5-3470/3470S/3470T」の5製品も当初は同時発表だったのが、後回しにされてしまった。これらが後回しになった理由は明確にされていないが、おそらくは当初発表の製品だけでも十分需要が逼迫するというか、満足な供給が間に合わないので、後回しにしたものと考えられる。
当初に発表する製品は、高いASP(Average Sales Price、平均小売価格)を維持できるCore i7とCore i5の上位モデルにとどめておき、もう少し潤沢に供給できるようになったらメインストリーム向けに、という展開は理解できるし、致し方ないところであろう。
ところでそのIvy Bridge、当初は第1四半期中に発表だったのが第2四半期に延び、さらに4月に発売されたのは一部製品ということになったため、全体的に続く製品の展開が後送りになっている。まずCore i5の残りに関しては、2012年6月初頭(おそらくCOMPUTEX TAIPEI 2012の前後)になっている。Core i3はさらにその後で、最近の話では2012年8月頃を予定しているようだ。ゆえにPentium Dual CoreのIvy Bridge世代への移行は、さらに後ろにずれて2012年10月頃に、Celeronは2012年末、もしくは2013年と言われている。当初はもう少し早く最上位から低価格帯まで、Sandy BridgeからIvy Bridgeへの移行させる予定でいたようだが、全体的に1~2四半期ほど後送りになってしまったもようだ。
さてそのIvy Bridge、ベンチマーク結果は各媒体でさまざまな情報が掲載されているので、大まかな特徴はご存知であろう。概要では以下のようになる。
- CPU性能はSandy Bridgeと変わらない
- GPU性能はおおむね倍
- 消費電力はSandy Bridgeの半分近く
- 発熱は変わらない
もともとインテル自身が、Sandy Bridgeに対するIvy Bridgeの改良目標を「性能/消費電力比を2倍にする」としており、これはきちんと達成できている。ただその一方で、CPU性能に関する若干の上乗せを期待していた人にとっては、見事に肩透かしに終わった感じがするだろう。
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