AF速度は半分に短縮
でも追尾AFのチューニングはいまいち!?
オートフォーカスはCX5から受け継いだ「ハイブリッドAFシステム」を搭載。コンパクトデジカメでは一般的な「コントラストAF」に、ボディ前面にある「パッシブAFセンサー」を組み合わせて高速かつ正確なピント合わせをする機能だが、CX5の合焦時間(約0.2秒)からさらに高速化がされており、300mm時において約0.1秒の合焦時間を謳っている。
0.2秒から半分の0.1秒になったのを体感できるか? と問われると難しいが、CX6ではかなりの使用シーンでピント合わせが快適だった。
ただし、フォーカスモードの「被写体追尾AF」に設定した場合は少し事情が変わってくる。これはAFターゲットを一度被写体に合わせれば、画面内のどこに移動してもピントを追い続ける機能であるが、このAFターゲットの動きが非常にうるさく感じる。
ハッキリとしたコントラストを持った被写体でも若干迷いながらちょこまかと被写体の周囲の似たようなコントラストにピントを合わせに行こうとする。この部分だけはいまだチューニング不足といえるだろう。
本来、このAFの有効な使い方は、カメラを固定してユーザーが自らAFターゲットを意図した被写体へと合わせる「AE/AFターゲット移動機能」よりもスナップ的な使い方、例えば被写体追尾AFで一度被写体にピントを合わせた上で、カメラを移動して構図を決めなおす撮り方だろうか。とはいえ、さらに完成度を上げてほしい機能である。
撮影モードには新たに「絞り優先AE」と「シャッタースピード優先AE」が搭載された。モードダイヤルを「A/S」の表示に合わせ、さらに切り替えは「Fnボタン」を押すことで両AEを行き来できるようになっている。
絞り優先AEは絞りのコントロールが「小絞り」と「開放」の2つに限定されている。初心者にもわかりやすくするためだと思われる。
シャッタースピード優先AEでは1/2000秒から8秒までと設定できる範囲はかなり広く、さらに1/3EV刻みで細かくコントロールできる。
正直、絞り優先AE時に開放絞りに設定したとしても、背景のボケ味が期待できるのはマクロ撮影時くらいだろう。シャッタースピード優先AE時の8秒というシャッタースピードも、三脚などでしっかりと固定した状況下でないと使用できない。
そのあたりをちゃんとわかっているユーザーには自分でカメラをコントロールできる範囲が増えて楽しいだろう。