NVIDIAは14日、第2世代となるパソコン用の3Dステレオ表示キット「3D Vision 2」を発表した。画面の明るさを改善するなど、実用性を高めた改良が施されている。
従来型の3D Visionは、アクティブシャッター方式の3Dメガネと、赤外線方式のUSB接続型エミッターで構成される3Dステレオ表示キットである。表示には3D Visionに対応する120Hz駆動が可能な液晶ディスプレーが必要で、エミッター機能を内蔵する液晶ディスプレーやノートパソコンも多数販売されている。GPUメーカーのNVIDIAが手がける規格として、特に3Dゲームの幅広い対応が魅力となっている。
3D Vision 2での改良点は、3Dメガネの使い勝手向上と、画面の見やすさ向上の2点が中心となっている。デザインが一新された3Dメガネはやや大きくなったが、レンズ部分が20%ほど拡大されて、27型級の大型液晶ディスプレーと組み合わせて使用しても、視野を妨げることがない。メガネ本体の重さは約56g。バッテリー駆動時間は約60時間。
装着中に周辺の光が入りにくいように、小さな遮光部品がレンズの上に取り付けられているほか(取り外し可能)、3Dメガネをかけたままヘッドホンを装着するとイヤーピースが当たって付け心地が悪いという問題を解消すべく、メガネのツル部分が若干縮小された。また充電用のUSBコネクターは、Micro USBタイプに変更されている。
また、新機能として「NVIDIA 3D LightBoost」と称する機能が搭載された。液晶シャッターで瞬間的に視野が遮られるため、画面が暗く見えるというアクティブシャッター方式の欠点を解消する機能である。ディスプレー側の左右映像切替とメガネ側シャッターの同期をより精密に制御することで、ディスプレー側の輝度を上げることなく、画面の見た目の明るさを改善することに成功した。
実際に従来製品と3D Vision 2で見比べてみると、同じゲームでも画面の明るさの違いは一目瞭然。2D表示時とそれほど差がない程度の画面で、3Dステレオ表示のゲームを実現している。また、3D LightBoostでは画面の明るさ以外にも、メガネを付けたままでもキーボードバックライトなどの環境光が視認しやすいよう改良も加えられているという。
なお、3D Vision 2は従来型3D Visionとの後方互換性はあるが、3D LightBoostなどの新機能を使うには、3D Vision 2対応メガネとエミッター、対応ディスプレーが必須となる。
3D Vision 2の製品は、3Dメガネとエミッターのセット製品が149ドル、メガネ単体が99ドル程度で販売される予定である。発売時期は11月中旬以降の予定。また3D Vision 2に対応するエミッター機能を内蔵した27型3D液晶ディスプレー「VG278H」をASUSTeKが、同様に3D Vision 2対応のゲーミングノートを東芝が米国で発売する予定とのこと。