今回紹介するのは、ウィルコムがビジネスユーザー向けに用意する、ZTE社製のUSB接続タイプの高速データ通信端末「HX008ZT」である。
接続回線はDC-HSDPA技術により、理論値で下り最大42Mbps、上り最大5.8Mbpsの高速データ通信に対応し、ADSLクラスの通信速度で移動通信が可能なのが最大のセールスポイントだ。
これらの数字やキーワードをピンと来た人も多いだろうが、実はこの高速通信網はソフトバンクの「ULTRA SPEED」を利用しており、速度や提供エリアに関するスペックはまったく同じものとなっている(関連記事、ただしサブエリアには非対応)。
1回線あたりの料金は、200万パケットの無料通信分が含まれる「3G データ定額ビジネス(S)」プランを利用した場合で、月額2580円~5580円となる。ただし、これは法人向けのため、回線契約は5回線からなど一般ユーザーが新規契約するには敷居が高い。
一方でウィルコムは、4月21日時点でPHSデータ通信カードを利用しているユーザー向けに、「ULTRA SPEED」を利用可能にするアップグレードキャンペーンを9月30日まで展開しており、これに申し込むとHX008ZTが無料提供される。
アップグレード時にULTRA SPEEDを利用するためのセットプランに変更が必要だが、料金はPHSデータ通信サービスと同じ月額3880円で、申し込み手数料も無料とかなりお得だ。
ただし、これに加えてISP(PRIN)接続料として月額945円が必要になる。契約期間は2年。直近30日以内で500万パケット(約610MB)以上の通信を行なった場合、通信速度制限が実施されることが明記されており、こちらは少々厳しい。
とはいえ、ウィルコムのPHSデータ通信サービスも継続して利用できる(別途、月額0円~1575円の接続料が必要)ので、ユーザーにはかなり魅力的なキャンペーンであり、この端末の詳細が気になるところである。
軽くて小さい本体
PCへの導入も差すだけでほぼ終了
それでは実際の使い勝手や通信速度についてチェックしていこう。HX008ZTのパッケージ内容は本体と小さな簡易マニュアルのみとシンプル。本体サイズは携帯ライターよりもやや大きい程度で、全体的に丸みのある形状をしている。重さも約29gと軽く、携帯性に関してはまったく問題がない。
ドライバーやユーティリティーソフトはHX008ZT本体のメモリーに搭載されているため、別途用意する必要はない。これとは別に最大32GBまで利用可能なmicroSDカードスロットを本体内に装備し、カードリーダーとしても利用が可能だ。
ただ、カードスロットは本体カバーを開けないとアクセスできないため、頻繁なカードの抜き差しには向いていないだろう。
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