消費電力
最後に消費電力についても確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で、最も消費電力が少ない時点を、高負荷時は「OCCT 3.1.0」実行時の最高値とした。
今回チェックしたCPUはすべてTDP125Wだが、アイドル時、フルロード時とも最も消費電力が小さかったのは980 BEとなった。特に965 BEとの比較ではクロックが300MHz上昇したにも関わらず、アイドル時に3.7W、フルロード時で6.3W低くなっているのは注目に価する。これまでTDP125WのCPUを使っているなら、熱設計的にはそのまま載せ替えてもまったく問題はないだろう。
Socket AM3の最終アップグレードとしては
いい選択となる「Phenom II X4 980 Black Edition」
今回チェックした980 BEは3.7GHzという高い動作クロックにより、965 BEだけでなく、6コアの1055Tと比較してもアプリケーションによっては高いスコアを記録した。さらに、TDPもこれまで通り125Wに収まっているため、Phenomや初期のPhenom IIシリーズからのアップグレードとしては有望な選択肢となるだろう。
また、AM3は新プラットフォームAM3+とも下位互換があるため、「AMD 9シリーズ」と組み合わせれば、「AMD FXシリーズ」を購入するまでのつなぎとしても十分その性能を発揮してくれるはずだ。
ただし、製品間の価格差が小さいAMDのCPUの場合、どうしてもコストパフォーマンスの問題が出てくる。現在の店頭売価は1万7000円前後で、「Phenom II X6 1090T BlackEdition」はおろか、最上位の「Phenom II X6 1100T BlackEdition」まで視野に入ってくるとなると、コストパフォーマンス的にはハッキリ言ってオススメできない。価格について、まずは早い段階で下がることを期待したい。
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