誰でも使えるFAX機のような使い勝手がキモ
このNetSpartで一番大きなポイントは「従来のFAX機の操作性をそのまま保ちつつ、メールでの送受信が使える」という点だ。まさにFAXと同じように紙を置き、宛先を指定し、ボタンを押せば送信が開始する。「店舗で働いているパートのおばちゃんやアルバイトの方が使うことを想定しているので、既存のFAX機から使い勝手が変わるとダメなんです。多くの方はメールで送られているとは思っていないのではないでしょうか?」(山本氏)。しかし、実際NetSpartでは紙文書をスキャンし、PDFデータにしてメールで送ることになる。
当然、メールアドレスなどはあらかじめ登録が必要だが、LANに接続されたPCからWebブラウザ経由で行なえる。PCからは電話帳の登録のほか、本体設定、電話帳のバックアップ、メモリ受信したFAXの閲覧や印刷なども可能だという。その他、パソコン連携として、紙文書をスキャンしてPCに送ったり、受信したFAXをスキャンしてLAN内のPCに保存できる。コスト削減だけではなく、電子化に関しても貢献するわけだ。
かゆいところに手が届く機能も満載している。山本氏は「たとえば、メール to プリントで受信したメールが印刷されたら開封通知として発信元にメール戻す機能もあります。店舗側が読んだか本部から確認するの手段として便利です。あと簡易プリンタにしたいというお客様の要望もあり、あとからオプションでプリント機能も付けました」という。その他、日常的な送信を効率的に行なうためのプログラム送信という機能も用意している。
競合はなし。多機能化しないバランスが重要
NetSpartは実にバランスの良い製品だ。最近のSOHO複合機のように、タッチパネルのカラー液晶や洗練された印刷機能などを持っていない代わりに、実にコンパクトなサイズに収まっている。「限られたスペースしかないレジの裏やバックヤードに置けるようにしました」(山本氏)ということで、店舗での利用に特化している。こうしたネットワーク機能を持った小型FAX機は競合として存在していない。
将来的な機能拡張を見越した、バリエーションも用意している。「FAX機としての自然な流れとしてFUSION IP-PhoneのIP電話を搭載する機種を出しています。また、モバイルルーターを用いることで、塾や試験会場、仮店舗など固定回線のないところから使えるようにした機種もあります」(山本氏)とのこと。
地味ながら、多店舗企業のニーズをきちんと汲んだNetSpart。アパレル、飲食業、薬局など幅広い業種で導入されているという。
この連載の記事
-
第45回
ビジネス
【45本目】パートナー参加でストックフォトが安くなる? -
第44回
データセンター
【44本目】無個性だけど低価格!アリスの裏メニューとは? -
第42回
ソフトウェア・仮想化
【42本目】あのDBからの乗り換えで半額に!IBM DB2という選択 -
第41回
データセンター
【41本目】モジュラー型データセンターのコスト勘定とは? -
第40回
ネットワーク
【40本目】機器のコストを下げる中古という選択肢 -
第39回
ソフトウェア・仮想化
【39本目】データ統合ツールで人海戦術を排除したら? -
第38回
ネットワーク
【38本目】1時間4.5万円で、あのテレプレゼンスが使える! -
第37回
TECH
【37本目】ウイルス対策ソフトを無料で強化する方法 -
第36回
TECH
【36本目】管理者泣かせのパッチ地獄から逃れる方策 -
第35回
サーバー・ストレージ
【35本目】アーカイブ活用でExchangeサーバーをなんと半分に - この連載の一覧へ