今はAndroidに力を入れている各メーカーも
もともとWindows Mobile搭載機を出していた
Microsoftが10月11日、最新のOS「Windows Phone 7」をローンチした。この日Microsoftは4メーカー9機種のWindows Phone 7搭載機を披露、10月21日に欧州で、アメリカでは11月8日に発売開始となる。スマートフォン市場で巻き返しなるかが注目されるが、今回は新規参入者を迎え撃つという意味で同じ立場にある「Symbian」と対比しながら、メーカーのWindows Phone 7の採用動向を探ってみたい。
スマートフォン市場では現在、OSの勢力図が急速に塗り変わっている。短く言うなら、これまでの代表的なモバイルOSであるSymbian FoundationのSymbianとMicrosoftの「Windows Mobile」のシェアが、後発組のAppleの「iPhone」とGoogleの「Android」に奪われている、というトレンドだ(Research In Motionの「BlackBerry」は中間的な立場にある)。
Windows Phone 7が発表されたのは今年2月、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress」でのこと。CEOのSteve Ballmer氏がバルセロナ入りしての発表に大きな意気込みを感じたが、Microsoftはその後8ヵ月かけて、これまでのWindows Mobileとは土台技術が異なるWindows Phone 7を完成させた。
2010年第2四半期のWindows Mobileのシェアは5%。これは、前年同期比の9.3%から半減近くとなる(Gartner調べ)。Microsoftと同じ汎用OSとなるAndroidのシェアが急速に拡大している状況もあり、Windows Phone 7を「最後のチャンス」と見る向きもあるようだ。成否については、第一陣の端末が店頭に出揃った年末商戦後に最初の結果が出るだろう。
11日に発表されたWindows Phone 7搭載機はHTC、Samsung、LG、Dellの4社からだった。HTCは今ではAndroidケータイの主力選手だが、日本にも多数製品をリリースしていたようにWindows Mobileの方が付き合いが長い。SamsungもLGも同じくWindows Mobile時代からMicrosoftとの関係は深い。Dellは「Axim」ブランドでWindows MobileベースのPDAを持つが、スマートフォン市場にはAndroidで中国とアメリカに参入している。
これらに加え、Sony Ericssonも製品を投入する可能性があるといわれている。Sony Ericssonは初代「Xperia」でWindows Mobileを初めて採用、その後Xperia X2でもWindows Mobileと組んでいる。
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