あなたの知らないWindows 第36回
Internet Explorer 9β版レビュー Part2
IE8の10倍速い!? IE9β版の新機能を体験してみた
2010年09月30日 12時00分更新
セキュリティー面も強化されるIE9β
IE9βでは、IE8で追加されたセキュリティー機能「SmartScreen」をさらに強化している。IE9βのSmartScreenは、新しいHotmail(関連記事)で採用されているSmartScreenの技術を採用しているようだ。
IE9βのSmartScreenではフィッシング詐欺対策として、ユーザー名やパスワードなどの個人情報を入手しようとするサイトなど、悪意あるサイトをスクリーニングする。もしユーザーがこういったサイトにアクセスした場合は、IE9βが検知して、安全ではないサイトとして、サイトへのアクセスを遮断する。
さらに、SmartScreen機能がダウンロードマネージャーと統合されたことで、悪意のあるファイルをダウンロード時にチェックできるようにもなった。ファイルのチェックには、最近のウイルス対策ソフトで使用されている「レピュテーション」※1と同じ仕組みが利用されている。できれば、Firefoxと同じように、ダウンロード後にインストールされているウイルス対策ソフトを自動的に起動して、ファイルをチェックしてくれると便利なのだが、そこまでの機能はない。
※1 どれくらい多くのユーザーが利用しているか、安全/危険の報告がどれくらいあるかなどの評価を元にした危険度判定の仕組み。
SmartScreenフィルターのデータやダウンロード時のマルウェアチェックなどのデータ(いわゆるシグネチャー)は、ウェブサイトにアクセスしたり、ファイルをダウンロードしたときに、自動的にマイクロソフトのサイトからダウンロードされる。マイクロソフトでは1時間に1回のペースで、シグネチャーを更新している。そのため、最新の脅威にも対応できるとしている。
Beauty of the WebでIE9の実現する世界を体験
IE9βでは、ウェブサイトを表示しているタブごとに動作が分離されている。これにより、もしあるタブの表示がハングしたりクラッシュしても、他のタブやIE9β自体は落ちない。さらに、タブが予期せず閉じたり、クラッシュした場合は、復帰後再度ウェブサイトが読み込まれる。
また、「アドオンパフォーマンスアドバイザ」機能により、インストールされているアドオンがどれだけブラウザーの速度を低下させているのかを確認できるようにもなった。あまりにも時間がかかるアドオンがあった場合、それを無効にすれば、IE9βのパフォーマンスを改善できるわけだ。
IE9βのリリースにともない、マイクロソフトでは「Beauty of the Web」と題するIE9専用サイトをオープンしている。ここには、HTML5などIE9の機能を活かしたウェブコンテンツが用意されている。IE9βをインストールしたら、このサイトを訪れてIE9の機能を使ってみると、今までとは違った新しいウェブサイトを楽しめることが実感できるだろう。
これらのデモページ以外にも、「IE9 Test Drive」には、HTML5やSVG、Canvasなど、IE9の新しい機能を使ったウェブページが用意されている。GPUを使ったIE9がどれだけの機能を持つかを体験できるだろう。
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