あなたの知らないWindows 第36回
Internet Explorer 9β版レビュー Part2
IE8の10倍速い!? IE9β版の新機能を体験してみた
2010年09月30日 12時00分更新
IE9βでは、新しいタブをクリックすると、IE8のように空白のタブが表示されるのではなく、最も頻繁に利用するサイトが表示される。このような機能は、すでにFirefoxやChromeが搭載している。ただし、FirefoxやChromeではサイトの縮小イメージが表示されるが、IE9βでは簡単なアイコンが表示されるだけだ。あるいは製品版では、サイトの縮小イメージが表示されるようになるかもしれないが。
もうひとつシンプルで気に入ったのが、「Notification Bar」(通知バー)だ。IEを使っていると、さまざまな場面で通知が表示される。今まではウェブブラウザーの中央に表示されて邪魔なときもあったが、IE9βではNotification Barにより、ウェブブラウザーの下側に表示される。ブラウジング中にも邪魔にならないので使いやすい。
GPUサポート、HTML5サポートでウェブは新時代に
IE9βの最大の特徴は、レンダリングにDirectX APIを利用していることだ。これにより、高い性能を持つGPUをウェブブラウザーで活用可能になった(関連記事)。
例えば、IE9βでのテキスト表示は、すべてDirectXの「DirectWrite」を使って表示している。これにより、テキストの表示が高速化されたりフォント表示にGPUを使ったスムージングが行なわれるため、CPU負荷をかけずに綺麗なフォントが表示できるというふれ込みだ。
また、SVGなどのベクターグラフィックの表示にも、Direct 2Dが利用されている。これによってベクターの表示も高速になるため、Flashなどのプラグインを使わなくても、SVGで記述すればIE9βだけで表示可能だ。
またIE9βでは、HTML5が完全にサポートされているので、Flashなどのプラグインなしでビデオをウェブブラウザー上で再生できる。IE9βでは、MP4コンテナやH.264などがサポートされている。これらのコーデック再生は、もちろんGPUを利用しているため、CPUの負荷をほとんどかけずに、ハイビジョン品質のビデオを再生できる。
これ以外にも、HTML5のCanvas要素をサポートすることで、ブラウザー上で簡単に図を表示できる。これは、今までのように図をJPEGやPNGの画像として表示するのではなく、動的に変更も可能な図で表示できるようになる。
例えばCanvasのXMLを変更するだけで、円グラフを棒グラフに変えることが可能だ。最終的なレンダリングにはDirectX APIを利用しているため、GPUを使って高速かつ綺麗な図を表示できる。
またこれ以外にも、JavaScriptエンジンをマルチコア対応にすることで、IE8よりも10倍以上高速化しているという。JavaScriptのベンチマーク「SunSpider」でも、IE9βはFirefox 3.6.8の2倍、Chrome 6.0に匹敵するパフォーマンスを示しているという。
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