午前の2時間耐久レース
練習走行が終わったら、すぐに午前中の2時間耐久レースが始まる。ここでの周回数や成績が午後のレースにも影響してくるので、それも考えて走らなければいけない。スタートドライバーは最年長の望月。「スタート直後の1コーナーの混乱を体験したい」と、やる気十分!
全車がグリッドに並び、レッドシグナルが消えると同時にスタートするという、F1と同じシステム。F1を目指している我々電アスレース部にとって、最高のシチュエーションだ。そしてシグナルが点灯し、緊張が走る。消えると同時に24台のカートは1コーナーになだれ込んでいった。
ゼッケンはミクポルシェに倣って9番をゲットした。ただし、スターティンググリッドは後方だった。だがそのおかげか、スタート直後の混乱にはあまり巻き込まれずにレースをスタートできた。
30年ぶりのカートという望月だが、最近のカートの安定性に驚いていた。「昔はコマのようにクルクル回ったけど、これは全然回らなくていいね」とコメント。たまにヘアピンでスピンしそうになるくらいで、安定して周回していた。
次のドライバーは佐久間。前回は走行中にスコールが降ったが、今回はピーカンなので心配なさそう(と、このときは思っていた)。タイムはあまり上がっていないが、一切、コースアウトやスピンをせずに淡々と走り、それが結果的に速さに繋がっていたようで、この時点での順位は真ん中くらいだった。
サードドライバーは、F1はセナプロ世代という小西。久々のカートなので、セナやプロストばりの走りは見せられなかったが、あまりスピンもせずに着実に周回を重ねた。
4番手は筆者。今日こそは上位に行くぞ! と意気込んでコーナーを攻めに攻めたが、あまりタイムには繋がらず。なんとか1分は切れるものの、58秒台には届かない。周回するたびにラインを変えてチャレンジするのだが、思ったようにいかない。同じラインを走っているのに、どうして立ち上がりで離されるのか、どうして追いつけないのか。そんなことを考えていたら、ひとりで30周近く走っていたことに気がつき、慌ててピットイン。望月へとバトンを渡した。
望月が走行しているときから、雲行きが怪しくなり始めた。太陽はどこかへ消え、雨雲が広がり、ポツポツきていた。だが、土砂降りにはならなそうだし、路面もドライのままだったので、レースは続行された。望月の出番が終わり、次の佐久間がコースに出て行くそのとき! これまで弱かった雨脚が突如として強くなり、「バケツをひっくり返したような」という表現がピッタリの集中豪雨に見舞われた。
さすが山の天気は変わりやすい。チームメイトの3人は雨に打たれながら走る佐久間を見ながら「やっぱ雨男だったか! ゲラゲラ!」とエールを送っていた。しかし、この雨だとカートのエンジンに水が入ってしまうかもしれないので、主催の番場選手は午前中のレースが終了間近だったこともあり、チェッカーを宣言した。
レースが終わるのを見計らったかのように、お昼に雨は止み、びしょ濡れになったレーシングスーツを乾かす姿がいたるところで見受けられた。そしてマネージャーの増田さんが登場! 手作りのハチミツ漬けレモンとレッドブルを手に、チームに合流したのだった。
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