社長、いきなりサーバー管理者に昇格ですか?
僕が勤める会社は昨年起業したばかりで、社長と新入社員である僕の2人でやっている。ところが仕事の関係上、社内でのPDFや画像が多く、500GBあるNASの容量が足りなくなってきた。このNASの管理はPC自作が趣味の僕に任されているので、そろそろ増設かなぁ、などと考えていた。
そこに社長登場。いわく「今後、社員を増やすかもしれないんで、増員しても容量を増やせたほうがいいなあ。あと、クラッシュしたときのデータ保護とか、管理性とか考えると、NASよりは“サーバー”を導入したほうがいいかもね。任せたから」と突然の命令が降ってきた。
サーバーといえば、とにかくハイスペックなイメージだ。しかも現状2人しかいない会社での導入で、僕が管理者ということは、とんでもないハイスペックマシンを事実上独占できることになる?
これは承諾せざるを得まい! 僕の機械オタク的欲望が「大丈夫っすよ!」と叫んだ。
承諾したはいいが、管理者としての経験は当然のように皆無。猛烈な不安感を感じたので、いろいろと調べてみることにした。結論から言えば、「サッパリ分からない……」。検索結果を一言で言えば、サーバーはやろうと思えば、なんでもできる便利なマシンだが、個人向けのパソコンとは全く別物として考えた方がよさそうだということ。
つまり僕は、PCの知識が皆無なのに自作マシンを作ろうとしているということになる。
せいぜいWindows 共有フォルダーの強化版か、NASの高機能版だろうという希望的観測が外れた代わりに、不安は見事的中して顔が青ざめてきた。
ここでふと疑問に思ったのが、「そもそも企業はサーバーをどうやって使っているのだろう?」ということ。大まかにまとめてみると下記のような用途があるらしい。
サーバーの主な用途
- ファイルサーバー
- ファイルやデータを保存しておき、社内や設定次第では外部からもアクセスできる。要するにデータ置き場。
- Webサーバー
- Webサイトを構築し、運営するためのサーバー。自社のWebサイトを自社サーバーで運営することもあるらしい。
- メールサーバー
- メールを送受信するためのサーバー。こちらも上記と同様で、自社でメールサーバーを運営することもあるようだ。
- データベースサーバー
- 顧客データや会計データを管理するときに使う。
- アプリケーションサーバー
- グループウェアを実行したり、各クライアントのソフトウェアを一括管理するために使う。
- 演算用サーバー
- 科学分野や映像制作分野で、大量の演算処理やレンダリング処理を行うために使うもの。言ってみれば計算専用機だ。
こうした用途がある以上、使い道さえハッキリさせれば、サーバー構築の道筋が見えてくるんじゃないかなぁ。そして、社長からの命令を上記の用途に当てはめれば、ファイルサーバーを作れということだ。
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