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初めての自社開発サーバー

レノボThinkServer TS200vはこうして生まれた

2010年08月06日 09時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp編集部

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執念すら感じる細部へのこだわり

 ハード面ではデスクトップPC開発の経験を生かし、内部構造に細かな配慮を加えている。例えば静穏設計に関しては、ファンの選択から始まり、効率的な冷却を行える内部構造、そして共振の低減など複合的な要因に配慮した上で初めて実現されるものである。

フロント部は吸気用に細かい穴があけられているが、よく見ると円形ではなく、ハニカム形状になっていることが分かる

 ThinkServer TS200vでは、風量の高い大型のファンを低速にまわし、かつ振動を吸収するゴム製インシュレーターで固定。フロントの吸気部分はより空気を通しやすい6角形(ハニカム型)として騒音を低減、内部は効率的なエアフローを実現できるケーブル配線を考える……など、細部にも徹底したエアフローを確保している。

無頓着になりがちなケーブル処理だが、実はこれもエアフローを阻害する大きな要因になりうる

Kohut 「無頓着なメーカーが多いですが、ケーブル配線はとても大きな問題です。ケーブルマネージメントに関しては7~10年前から継続して取り組んでいるのですが、その重要性は、C20という小型のワークステーションを研究開発しているときに、特に強く認識しました。高性能でありながらエアフローに制約のある筐体で廃熱にどう取り組むかを考えたからです」

本体の足。周囲と中心部に異なる素材のゴムが採用されている点に気付くだろうか

 また、本体を支える足には硬質・軟質の2種類のゴムを利用している。これは「開発者が自宅の猫を見て思いついたもの」だという。猫は高所から着地するとき、まずつま先で着地し、肉球で立つ。ThinkServer TS200vの足は、外側を囲うように硬質のゴム。内側には放射状の軟質のゴムが使われており、低周波・高周波のどちらの振動にも適切に対応できるようにした。ゴム足へのこだわりはThinkPadから継承したものでもある。

 これ以外にも些細なボタンの形状、堅牢製への配慮、サイドパネルのラッチなど部品の細部にも神経質なほどこだわったつくりなのだという。

Kohut 「うちのエンジニアたちはとてもクレイジーだから、本当に話題が尽きません(笑)」

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