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初めての自社開発サーバー

レノボThinkServer TS200vはこうして生まれた

2010年08月06日 09時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp編集部

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レノボが自社開発を決意したわけ

 まずThinkServer TS200vをなぜこのタイミングで自社開発で提供したのか、このあたりの背景から尋ねてみることにした。

Kohut 「レノボは中国以外の各国での存在感を示すため、PC以外の領域でも、早期にプロダクトラインを整備する必要がありました」

 そこでレノボは早期に投入が可能なOEM展開の選択を採った。しかし、次の段階では、レノボが主軸におくSMB市場によりフォーカスした製品の開発が必要である。しかし、IBMのサーバー製品は、主に大企業での導入を想定している。

 運用管理の方法や調達、現場でのニーズといった各要素で何に優先的に取り組んでいくかには温度差があり、より市場に適した製品を自社で開発していく必要性があった。

Kohut 「これはLenovo 3000のブランド戦略と類似性があります」

 Lenovo 3000シリーズは2006年、北京オリンピックの開催と合わせて、IBMのThinkPadとは異なる新しいラインとして市場投入された。Lenovoという新しいブランドを全世界に向けて印象付けることが狙いだったが、市場で一定の認知を得た後はシリーズを終息させている。


企業導入に必要なグリーンIT、静粛性

 ThinkServer TS200vの特徴として、レノボが掲げるのは、グリーンIT、管理性の高さ、そして静粛性である。

 65%のリサイクルが可能なプラスチック部品の採用はこのクラスのサーバーラインの中では、業界ナンバーワンだと謳っている。また、Energy Starの認定を受けた高効率電源、インテルのvPro/AMT6(Active Management Technology)への対応、同価格帯のエントリーサーバーでは最小クラスの24dBの静粛性といった特徴がアピールされている。

 プロセッサーに関しては、低コストで十分な性能が得られるという理由でCore i5が選ばれた。初期導入コストを下げるためにはAMDという選択肢もあったと思うが、インテルブランドが与える安心感、AMTによって電源オフ/OSが応答しない状態でもサーバーにアクセスでき、システム状況のモニターや、障害対応、OSアップデートが可能である点などがインテル採用の理由となった。

 同等の仕様をAMDで実現しようとすると逆に割高になってしまう。

 また社内でのOSイメージの共通化を図る上ではベンダーを絞ったほうが都合がいいという声も現場から上がってきているという。

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