ホームサーバーという製品ジャンルを切り開くか?
各社のWHS専用機を触った筆者から見ても、EX490は非常によくできたホームサーバーと言える。しかし、国内事情を考えると、高度なセキュリティーを要求するデジタル放送をホームサーバー上で利用するためには、DTCP-IPやダビング10といった機能への対応が必要になる。本格普及のためには、ホームサーバー自体にデジタルチューナーを内蔵して、テレビサーバーとしての機能を提供することも求められるかもしれない。
しかし、こうした機能を実現するためには、米国主導での開発ではなく、日本の事情に合わせたソフトウェア開発や企画が必要になってくる。これは、HPだけでできることではなく、WHSを開発しているマイクロソフトの力も必要になるだろう。
写真や音楽などは、それほど大きなデータ量ではない。せいぜい1コンテンツあたりMB単位で済む。しかしビデオとなると、ハイビジョン映像1本で数GB単位になる。ビデオをHDDに録りだめていくと、すぐに1TBくらいは埋まってしまう。
一方で、最近の液晶テレビはテレビ本体にUSB HDDやNASを接続する機能を持ち、ハイビジョン放送を録画できる製品が珍しくない。パソコンにさして興味を持たなかった人が、液晶テレビの購入と同時にUSB HDDを買っていく、そんなことが多くなっていると聞く。
こういった状況を考えると、きちんと日本のテレビ事情にマッチしたホームサーバーが販売されれば、パソコンユーザーだけでなく、多くの人たちがホームサーバーを利用するようになるかもしれない。
EX490は、まだまだパソコンの難しさが残っているものの、デジタルAV機器としてホームサーバーが普及する可能性を大きく感じた。パソコンユーザー以外にも簡単に使えるようになれば、液晶テレビやBDレコーダーを購入する際に、一緒に購入される商品として、ホームサーバーも成長していくだろう。
HP MediaSmart Server EX490 の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Celeron 450(2.20GHz) |
メモリー | 2GB |
ストレージ | HDD 1TB |
通信機能 | 10/100/1000BASE-T |
インターフェース | USB×4、eSATA |
サイズ | 幅140×奥行き250×高さ230mm |
質量 | 約4.92kg |
OS | Windows Home Server |
価格 | 4万9980円 |
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