4月22日、マイクロソフトはOffice 2010の開発が4月16日に完了したと発表、日本での製品発売スケジュールや価格も明らかになった。パッケージ版は6月17日に発売される。
企業向けと個人向けを明確に分離
昨年11月からパブリックベータの配布が行なわれているため、すでに日常的に活用しているというユーザーも少なくないと思われるが、「Microsoft Office 2010日本語版」の開発完了を受け、製品構成や発売日、価格が発表された。
説明を行なった同社のインフォメーションワーカー ビジネス本部 業務執行役員 本部長の横井 伸好氏は、「日本でのベータ版ユーザーは40万人以上で、2007の時の倍以上」といったデータを紹介し、発売前から高評価を受けていることを示した。中でもβユーザーからの評価が高かったのは、PowerPointとOneNoteだという。
2010ではパッケージの構成が整理され、個人向け製品と企業ユーザー向け製品が明確に分離されたのが特徴となる。企業向けはボリュームライセンスでの提供となり、プレインストール版とパッケージは個人向けと位置づけられる。
規模に応じたエディション構成
パッケージ版は、規模に応じた3種類とアカデミック版の計4種が用意される。
「Office Personal 2010」は、Word、Excel、Outlookの3種のソフトウェアだけを含む最小構成版で、これは日本独自のパッケージだという。従来から、Personalがプレインストールで大量に販売されてきた実績を踏まえて継続されるものだ。また、2010では約3割という大幅な値下げも行なわれているが、この理由として横井氏は、「PCの低価格化が進行したことも踏まえて新たな値付けをおこなった」と語った。
「Office Home and Business 2010」は、今回新たに加わったパッケージで、従来のStandardに相当する位置づけだが、「全てのご家庭ユーザーおよび個人事業主向け」とされる。横井氏は、「ホームユーザー向けの中核製品」と位置づけている。PersonalにPowerPointとOneNoteが加わった形で、描画ソフトとしてニーズの高いPowerPointは外せないが、あまり価格が高くても、というユーザーにはちょうどよいパッケージとなる。価格も、Standardと比べると約3割程度値下げされているとのこと。
「Office Professional 2010」は、Home and Businessに加えてPublisherとAccessが加わったパッケージで、「小規模ビジネス向け」と位置づけられる。また、アカデミック版である「Office Professional Academic 2010」の構成はProfessionalと同一だ。
企業ユーザー向けにボリュームライセンス提供されるのは、「Office Standard 2010」と「Office Professional Plus 2010」の2種類。Standardは、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook(Business Contact Managerを含む)、Publisherで構成される。Professional Plusには、Standardに加えてAccess、InfoPath、Communicator、SharePoint Workspaceが含まれる。
Office IME 2010の単独提供も
今回からの新しい取り組みとして、Microsoft Office IME 2010が単独でダウンロード提供されることも発表された。提供開始はパッケージの発売日と同じ6月17日。価格は無料だが、まだサポート対象に入っているOffice(具体的には、Office XP、Office 203、Office 2007、Office 2010)の正規ライセンスがインストールされたPCのみが対象になる。
OfficeにはIMEも含まれるが、旧バージョンのユーザーが2010への移行の前にまずIMEだけを最新版にするといったことが可能になる。
このほか、Office 2010と同時に、「Microsoft SharePoint 2010」「Microsoft Project 2010」「Microsoft Visio 2010」も開発完了し、同じスケジュールで提供開始される。提供開始日は、MSDNおよびTechNetでのダウンロード提供開始が4月23日より順次、企業ユーザー向けのボリュームライセンス提供開始が5月1日、店頭でのパッケージ発売およびプレインストールPCの販売開始が6月17日となる。