ソフトバンク同士の音声通話が無料になる「ホワイトプラン」の登場以降、携帯電話のコスト削減策は、音声通話の定額化が中心であった。しかし、端末限定ながら、パケット通話料を無料にするプランが現われた。
パケット代が無料!新ウィルコム定額プラン Gの威力
3月15日にウィルコム/ウィルコム沖縄が発表したのが、「HYBRID W-ZERO3」用の専用料金プラン「新ウィルコム定額プラン G」である。この料金プランで注目したいのが、なんとPHSでのパケット通話料が無料なのだ。
HYBRID W-ZERO3はPHSだけではなく、NTTドコモのW-CDMA網を使った7.2Mbpsの通信も可能なスマートフォン。これまでPHSのパケットデータ通信は最大2800円の料金を支払う必要があった。しかし、新ウィルコム定額プラン Gでは、月額1450円でPHSのパケット通信はし放題。ウィルコム同士の通話も従来通り無料になる。
残念ながら、高速な3G通信はこれまで通りの最大5250円の月額料金が必要になる。多少遅いPHSの通信ではあるし、端末も限定される。とはいえ、音声通話のみならず今までパケット料金を気にしながら使っていたWebやメールなどが、月額料金1450円だけで使えるというのは、非常に画期的といえる。
また、こうしたプランに対応し、3G回線とPHS通信を簡単に切り替えられるツールも合わせて提供された。今までのようにWindows Mobile 6.5のネットワーク設定から変更するのではなく、ツールを起動し、接続先をタップするだけで簡単に接続先を変更できる。
ビジネス+PHSの親和性
ご存じのとおり、ウィルコムのPHSはもともとビジネス用途と相性がよい。社員間での通話無料をいち早く導入してきたほか、固定電話への安価な通話料も実現してきた。また、既設PBXとPHSネットワークを専用回線で結び、ウィルコムのPHSを外出先でも内線と同じように利用できる「W-VPN」などもいち早く展開している。先日、紹介したNTTコミュニケーションズの「.Phoneユビキタス」もこうしたPHSのメリットを最大限に活かしたビジネス向けサービスだ。
一方でPHSの端末は、音声やメールなどシンプルな業務向け端末もあるし、ヘビーな用途にも耐えられるスマートフォンも用意されている。もちろん、PHSなので音質のよさは、ケータイに追い越されていない。
ご存じのとおり、ウィルコムはソフトバンクや企業再建支援機構などの支援を受けて、会社更生法での再建のまっただ中だ。こうした状況下ではあるが、PHSの優位性やコスト削減メリットは冷静に評価すべき。コスト削減において、名より実を取るのであれば、ウィルコムPHSの導入は有効な手段といえる。
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