VIA CPU
インテル/AMDに比べると、VIA TechnologiesのCPUは製品数が少ないから混乱することはないだろう。
VIAデスクトップ/モバイルCPUのコード名一覧
アーキテクチャー コード名 |
製造プロセス | 製品コード名 | 製品 |
---|---|---|---|
Esther | 90nm SOI | Esther | C7-D、C7-M、C7-M ULV |
Isaiah | 65nm SOI | Isaiah | Nano L2000番台/L3000番台 |
Nano U1700/U2000番台/U3000番台 |
「Esther」というのは、従来のVIA C3の流れを汲むもので、90nm SOIプロセスを使った「C7」シリーズだ(関連記事)。一方「Isaiah」は新しいスーパースケーラの実行ユニットを持つ、65nm SOIプロセスを使った「Nano」シリーズである。
唯一混乱を招くところがあるとすれば、そのモデルナンバーの付け方だろう。例えばNanoの場合、以下のように動作周波数とモデルナンバーの関係がでたらめなのである。
- L2100(1.8GHz)、L2200(1.6GHz)
- L3100(2.0GHz)、L3050(1.8GHz)
- U1700(1.0+ GHz)、U2300(1.0GHz)、U2225(1.3GHz)
- U2250(1.3+ GHz)、U2500(1.2GHz)
- U3100(1.3+ GHz)、U3200(1.4GHz)
- U3300(1.2GHz)、U3500(1.0GHz)
見てのとおり、モデルナンバーの数字が高いほど性能が高い「わけではない」。実はこのモデルナンバー、「性能/消費電力比の高いもの」が高い数字となるという規則なのだ。それはそれで理に適ってはいるのだが、実際に製品を選ぶ時にはほとんど役に立たないものになっている。
VIAはすでにリテール向けの単体CPUのビジネスからは撤退しており、したがって実際にはC7なりNanoなりを搭載したマザーボードを購入する形になるから、こちらの動作周波数表記で選べばいいことになる。そのため、あまり混乱はしないだろうと思われる。
さて次回はAMDとNVIDIAのGPUと、インテルチップセットのコード名について整理してみたい。
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