Intelチップセットの歴史 その7
Core 2世代の965から次世代ノートチップセットまで
2010年02月01日 12時00分更新
モバイル向け965世代は2007年5月に登場
さて今回は、インテルのモバイル向けチップセット解説の後編である。デスクトップから1年遅れた2007年5月に、Core 2 Duoなどに対応した「Intel GM965」と「Intel PM965」が投入される。ICHも「ICH8M」となり、GM965は内蔵GPUとして「GMA X3100」を搭載する。同時に、このGM965からPCI Express(PCIe) x16レーンを省略し、FSBや対応メモリーにも制限を加えたCeleron向けの「Intel GL960」もリリースされている。
このGM965とGL960から、Macrovision社の著作権保護機能を外した「Intel GME965」「Intel GLE960」も、やはり2007年5月にリリースされており、Macrovision社のライセンス料が結構馬鹿にならないものな事がうかがい知れる。また、TDPはIntel 945世代よりもさらに増えている。GM965/GME965のTDPは13.5W(X3100を500MHz駆動)ないし12W(400MHz駆動)、PM965でも8Wに達しており、搭載ノートの熱設計は結構苦しかったようだ。
ちなみに、当時デスクトップ向けのICH8はUltra ATA/100のサポートが完全に撤廃されていた。しかし、モバイル向けの薄型HDDなどはまだUltra ATA/100のままであり、「SATA/Ultra ATAのブリッジチップを搭載する面積も惜しい」というノート特有の事情を勘案してか、ICH8Mには引き続きUltra ATA/100のサポートが残されている。
PCIe Gen2に対応したGM45/PM45
翌2008年7月には、後継製品である「Intel GM45」「Intel PM45」が登場する。こちらモバイル向けとしては初のDDR3対応チップセットとなっている。またPCIeもGeneraion 2(Gen2)対応に進化した。まず最初に登場したのが、内蔵GPUの「GMA X4500」を搭載するGM45と、GPUを内蔵しないPM45である。
さて、ここからがちょっとややこしい。GM45はGMA X4500を搭載し、これを最大533MHzで駆動する。これに続き、2008年8月に登場した「Intel GS45」は、低価格向けというよりは低消費電力向けといった仕様になっている。動作モードには「High Performance Configuration」と「Low Power Configuration」があり、High PerformanceではX4500の動作周波数を含めておおむねGM45と同じ仕様だが、Low Powerでは以下の表のように、FSBやメモリーの動作周波数を落として動作する。
High Performance | Low Power | |
---|---|---|
FSB | 800/1067MHz | 800MHz |
DDR2 | 667/800MHz | 667MHz |
DDR3 | 667/800/1067MHz | 667/800MHz |
また、GS45ではPCIe x16レーンを廃止したが、低消費電力向け構成でPCIe経由で外部GPUを搭載するケースはまれだし、それならばいっそ削除したほうが省電力に効果的、という判断と思われる。純粋に低価格向けとなるのは、GS45と共に登場した「Intel GL40」といえるだろう。こちらはCore 2 DuoのみならずCeleron/Celeron M/Pentium Dual-Coreなどもサポートしており、そのためFSBは667/800MHzに引き下げられたほか、DDR3-1066のサポートも削られた。
2009年6月にはGS40もリリースされている。こちらはDDR3-1066のサポートが削られたが、GMA X4500の駆動周波数は400MHzという微妙なものになっている。
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