PDFリーダーとしてなら使える?
前回の記事でも書いたが、日本語のコンテンツがほぼゼロの現状を考えると、Kindleを日本で使う理由は、今のところ「興味・関心」の域を出ない。
少しでも実用性を上げる方法はないかと考えた結果、持ち運べる「PDFリーダー」として活用する方法に行き着いた。文書フォーマット変換の手間は必要だが、手持ちのPDF文書をKindleに読み込ませることができるのだ。携帯電話などPDF文書を読める機器は増えているが、大画面とすぐに使える点はメリットになるだろう。
文書変換の最も手軽な方法は、Kindle購入時にAmazon.comが割り当てるメールアドレス(username@kindle.com)宛てにPDFファイルを送信する方法だ。件名なしの空メールに、ただファイルを添付すればよい。数分待つと、PDFをKindle独自のAZW形式に変換したファイルが、本体にダウンロードされる。
ただし、この方法では1MBあたり99セント(約90円)のフォーマット変換手数料が必要になる。「それはもったいない」という場合は、「username@free.kindle.com」というメールアドレス宛てにファイルを送ればいい。
数分でダウンロード案内メールが届くので、変換されたファイルをPCにダウンロードして保存。ファイルをUSB接続したKindleに転送する。手間がかかるがこれなら無料で済む。
さてこれなら、モノクロとはいえモバイルPDFリーダーとして使える……と思ったものの、トラブルが発生した。
変換した日本語PDF文書を読み込ませてみたのが下の写真。日本語フォントがないためか、見事に文字化けしている。Kindleはブラウザーのみならず、PDFリーダーも日本語に対応していないのだ。日本語で文書を読みたいと思ったら、スキャンした画像をそのまま送るか(JPEGファイルも上記の方法で読み込ませることができる)、画像ファイルをPDFにまとめて閲覧するしかないのだ。
わざわざフォーマット変換の手間をかけてやる価値があるのか……と思ってしまうのはしかたない。上位機種のKindle DXや、対抗馬として登場したバーンズ&ノーブルのnook(次ページ参照)はPDFをそのまま読みこめるのでもどかしい感じもある。AZWという独自形式に、ユーザー側のメリットが見いだせないのが現状だ。