8月28日、ノベルは都内で発表会を行ない、新社長の就任と仮想化ソフトウェアの新版「PlateSpin Migtrate 8.1」について解説した。
データセンターのインフラを提供するベンダーへ
ディレクトリサービスやOSからスタートした同社はすでに25年の歴史を持っており、事業は多岐に渡る。現在のノベルについて新社長の徳永信二氏は「仮想化・クラウド時代のインフラを実現するソフトウェアのベンダー」と位置づけており、エンタープライズ向けディストリビューション「SUSE Linux」と仮想化プラットフォームの「Xen」などを中心に据える。SUSE Linuxに関しては、グローバルのエンタープライズサーバへのOEM提供が好調なほか、マイクロソフトとの技術提携やRHEL(Red Hat Enterprise Linux)からの移行プログラムも用意しているという。
一方で、今まで国内でのパートナー開拓や製品の投入が課題と位置づけており、徳永氏は「新規パートナー25社を目標に獲得していきたい。また、グローバルで提供されている製品の国内での展開も積極的に行なっていきたい」と語っている。
サーバ稼働したまま
マイグレーションも可能
同日、ノベルが発表したPlateSpin Migrateは、仮想化環境用の移行ツールの新版になる。「ハイパーバイザは進化しているのに、周辺のツールはあまり進化していないのが現状。こうした課題に関して、物理、仮想、イメージ間のマイグレーションを実現するのがPlateSpin Migrate」(ノベル株式会社 アカウント営業統括部 データセンターソリューション テクノロジーズスペシャリスト 鈴木広紀氏)というものだ。
PlateSpin Migrateは、Windowsサーバ上にインストールし、GUIツールから移行元から移行先にアイコンをドラッグ&ドロップするだけで移行が可能。事前検証や移行テストも可能なので、失敗もない。手動での変更に比べて、1/50まで工数を削減できるという。差分転送を行なう点やドライバの適用を自動化する点などが、無償の移行ツールとの差別化ポイントだという。
新バージョンの8.1では、GUIとマニュアルの日本語化を実現したほか、変換パフォーマンスも向上させた。また、変換対象となるサーバやハイパーバイザも追加され、たとえば物理サーバからSolarisの仮想化にも対応している。