企業活動を行なう限り、総務と経理の業務は必ず存在してもよいといっても過言ではない。たとえば売り上げ請求書の発行や取引業者への支払い、経費精算などである。こうした回覧や承認を必要とする業務を効率化するのがワークフローである。
Excelや紙ベースの取引業務は問題がいっぱい
1人1台という環境でPCを使うようになっても、総務・経理系の業務はいまだに紙をベースにしているというところは多い。たとえば、交通費や消耗品の経費精算の場合、まず社員が経費精算伝票を起票し、領収書といっしょに上司に提出。上司が押印承認して、経理に回覧。経理は紙で提出された書類の内容に併せて、会計ソフトの勘定項目への仕訳作業を行なうといった手はずになるはずだ。
もちろん、Excelを使う場合もあるだろうが、これもフォームを用意しておき、印刷して使う場合がほとんど。手書きで入力する手間がなくなるくらいで、本質的には紙の場合と、大きくは変わらない。
こうした紙ベースのシステムに大きな無駄や非効率性が潜んでいることは、誰の目から見ても明らかである。社員にとってみれば、回覧した書類がどこに回覧されているのかもわからず、紙が途中で紛失してしまう危険性もある。押印承認を行なう上司にしてみても、数多くの書類に印鑑を押し、次の担当者に回覧しなければならない手間が発生する。しかも常時在席しているわけではないので、不在の時は回覧が滞ることになる。さらに総務や経理の担当者にしてみれば、取引や費用が発生するために回覧されてくる書類を見て、仕訳を行なうという手間が発生する。そして会計ソフトに仕訳したデータが入力されれば、回覧されてきた伝票はそのまま無駄になる。もともとExcelなどのフォームで作られたものでも、一度紙に出力され、再度データとして会計ソフトに流し込まれるという手間を踏むわけだ。データから紙、紙からデータといった人力による変換作業が増えれば、その分入力ミスが増えることは明らかである。
こうした総務・経理業務の非効率性を解消するために作られたのが、ワークフローというシステムである。
(次ページ、ワークフロー導入は敷居が高い?)
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