先日3キャリアそろって、大々的な夏モデル発表会があったケータイ業界。この業界を知り尽くした、濃~いライター陣によって、夏モデルや最新スマートフォンを肴に座談会を行なった。週刊アスキー6/23号との連携企画!
今回の参加者 その1(敬称略)
右から
霜田憲一
国内半導体開発メーカーに所属するとともに、ケータイ関連の技術誌やレビューを執筆
石川 温
ジャーナリストとして、雑誌やテレビなどメディアで活躍。TVチャンピオンケータイ電話通選手権準優勝
平出 心
ネットセキュリティー関連企業キーテルの代表取締役にして、日本Androidの会幹事
日本のケータイは高機能なため
Androidのスゴさが伝わりにくい
石川 色々なメディアから「Androidって何がスゴいんですか?」って聞かれる機会が多いのですが、「一般の人に○○なメリットがある」っていうのが、なかなか答えられないんです。
中山 メリットが見えにくいのでしょうか?
石川 そもそもGoogleのサービスが使えるといっても、それは特段スゴイことではない。別にiPhoneでも使えるわけですから。
山根 それに日本だったらサービスはGoogleではなく、Yahoo!でもいいのだし。
石川 アプリ屋さんや端末メーカーからすると、ものすごく可能性があるんですが、ユーザーにとってのメリットを考えると悩みますよね。
平出 日本Androidの会でも、Androidが普及するのは時間がかかるのでは? という話になります。というのも、日本のケータイはとても進化しているから。普通のケータイでもモバイル版のGoogleが使えて、逆にAndroidでは劣化しているような気までします。
霜田 普通のケータイとAndroidやiPhone、Windows Mobileとの大きな違いは、アプリケーションの開発者との距離だと思います。
山根 一応ノキアも入れてください。(笑)
霜田 普通のケータイも自作アプリはありますが、文化としてはそれほど根付いていない。
山根 日曜プログラマーの次が大企業になっちゃう。その間が無いというか。あったとしてもそれは「公式アプリではない」ということになってしまう(ケータイに自由にインストールできない)。
石川 ドコモの発表会のときも「Androidマーケットでキャリアがお金を回収できるシステムを作るのか?」と聞いたら、「それはまだ未定です」との回答でしたし。でもマイクロソフトとノキアではそれをやろうとしてます。
平出 マイクロソフトはマーケット内にキャリアのコーナーを作ってそこで回収できるような感じにするみたいですね。
山根 ノキアもそうなんですが、キャリアが儲かる仕組みがないと難しい。ガッポガッポと儲からなくても、少しは入ってほしいと。
石川 “みんな儲かりますよ”っていう仕組みがないとキャリアも乗ってきませんよね。