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ターゲットの仮説を立てる

2006年10月18日 09時00分更新

文●田嶋 節和/株式会社サーフボード 代表取締役 Webマスタースクール 校長

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 ECサイトでは、東京を中心とした関東近辺と、大阪を中心とした関西などの大都市圏がマーケットの大半を占めます。その他に当たる全国は、2割程度しかありません。これは、消費者の買い物の仕方に違いがあるからです。

 都市部の消費者は、普段、近くのスーパーかコンビニで買い物をすませます。そして、週末はゆっくりネットや通販カタログでショッピング。自宅まで届けてもらうことを、便利と感じています。また、地方の消費者は週末家族でショッピングセンターへ。そこで、一度にまとめて買い物をすませる傾向があります。 

以下に6つのポイントを表にしました。

ターゲットを特定するためのポイント
1 マーケットは世界規模。そのうち、メインとなるエリアは日本全国です。ただし、現状のWebマーケットでは上述したように、首都圏と関西圏など大都市の消費者が過半数を占めます。
2 ターゲットは、できるだけ具体的に仮定することで、お客様をひきつけることが出来ます。より売上を上げようと期待するあまり、女性も男性も、若者層もシニア層もといったサイトを見かけますが、それは一般的にポータルサイトの話で、限られた商材の場合は、出来るだけターゲットの範囲を絞り込む必要があります。その上で、ターゲットの利用シーンを設定します。TOPページにおけるお客様のご利用シーンの写真は、例えば40歳前後の主婦がエプロン姿で料理を作っているものを掲載します。【 例 】 40代主婦 子供は中学、高校生 親が65歳前後 教育熱心
3 特定商品そのものはもちろん、関連する商品の品ぞろえと仕入れルートを文書化。
(例えば、みそ店の場合。豊富な種類のみそをそろえ、ダシやみそ汁の具なども併せて紹介)
4 ターゲットによって、TOPページのデザインやコンテンツのテーマ、商品説明の仕方も変わってきます。 最初に想定したお客様と、実際の購入者に違いがないか、ターゲットは定期的に分析。
5 「お客様の体験談」「お客様の声」は、仮定したターゲットに合わせます。例えば、40代の主婦層と設定した場合、同じ層の情報を中心に構成。
6 メールマガジンでは、ターゲットの好む話題を取り入れ、共感を誘います。

 私がコンサルをしていて、「貴社のターゲットは?」とお聞きすると、「20代から60代位までの女性です」と回答されることが非常に多いです。場合によっては、「女性も男性もご購入いただいています」となります。商売柄いろいろな人が使っているということを言いたいのでしょうが、まずはターゲットを絞り込むことがコンサルのスタートとなります。

 そして次に、「貴社の商品を実際に買われている方で、一番多い年齢層は?」と聞きすると、「50歳前後の女性です」また、「その人たちは、どんな課題(問題や悩み)を抱えていて、貴社の商品を購入することで、どんな解決が出来るのですか?」と質問を繰り返すことで、ターゲットが徐々に絞られてきます。

 「それらの女性はどんなシーンでお使いになっているのでしょうか?例えば、朝起きて洗面所で、それとも朝食の支度中、または外出から帰宅したときですか?」と質問を繰り返していきます。そうすることで、ターゲットが明確化されます。
皆さんも、ターゲットを明確化にする場合は、出来るだけ範囲を絞って考えてください。

著者プロフィール

名前 田嶋 節和 tajima[アットマーク]surfboard.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社サーフボード
サイト http://www.surfboard.jp/

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