定番はあえて外したい
「OMEGA」(オメガ)と言えば、スイスの高級時計メーカーだ。
その代表的なプロダクトである「オメガ・スピードマスター・プロフェッショナル」は、1969年7月20日、人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号・アームストロング船長の腕で歴史的な時刻を刻んでいた。少し腕時計に興味のある男性なら、オメガ=プロフェッショナル、オメガ=宇宙船アポロ11号と連想するのが定番だろう。
1960〜1970年代の強いアメリカを象徴するスペースエイジには、宇宙飛行士の脇役であるプロフェッショナルの道具も多く登場している。オメガ・スピードマスター・プロフェッショナル以外では、月の石を地球までの収納して持ち帰ったゼロハリバートンのアタッシュケース、そして、現在はレノボの製品だが、一隻のスペースシャトルに必ず十数台は搭載されていたモバイルPC「ThinkPad」などが有名だ。
そんなことに思いを馳せていたら、オメガの時計が無性に欲しくなってしまった。ただ、少しあまのじゃくで、プチ腕時計コレクターな筆者が狙ったのは、認知度の高い「宇宙のシンボルウオッチ」ではなく、二番手あるいは三番手だ。
インターネットで探してみると、腕時計としては珍しい黄色い文字盤を持ったオメガのプチ・アンティーク「スピードマスター・シューマッハモデル」がたまたま眼に入り、衝動買いしてしまった。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである。
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