Macを仕事に使っているプロユーザーにとって、気になるのがマシン性能だろう。3Dグラフィックのレンダリングやビデオのエンコードなど、CPUが高性能化した現在でも時間のかかる処理はまだまだある。その処理が少しでも速くなって、より多くの仕事をこなせて収入が増えるなるなら、最新のマシンに乗り換える価値は十分にある。
というわけで、気になる新旧Mac Proのベンチマークを試してみた。
用意したのは新Mac Proの「8コア」モデル(2.26GHz×2)と「4コア」モデル(2.66GHz)、旧Mac Proの「8コア」モデル(2.8GHz×2)の3機種だ。さらに比較対象として、3月に発売したiMacとMac miniの最上位機種(24インチiMac 2.93GHz、Mac mini 2.0GHz 320GB)も含めた。テスト内容は、ASCII.jp/MacPeopleで毎回実施している7種類のベンチマークだ。
注目したいのは、CPUアーキテクチャの変更が、テスト結果にどう反映されたのかという点。新旧Mac Proは同じ「Xeon」という名前のCPUを採用しているが、新モデルは「Nehalem」(ネハレム、開発コード名)と旧モデルは「Penryn」(ペンリン)と、そのベースとなっている基本構造が異なる(関連記事)。
「Nehalem」ベースのXeonは、処理量に応じてプロセッサーのクロックを調整する「Turbo Boost」機能を備えている。また、各CPUのコアで2つのスレッド(処理)を同時に実行できる「Hyper-Threading」に対応しており、8コアの上位モデルを使うと、Mac OS Xからは16コアのマシンに見える(アップルの解説ページ)。
※「Processor」は、Mac付属やMac OS Xのインストールディスクに含まれている「Xcode」をインストールし、HDDの「Developer」→「Extras」→「PreferencePanes」にある「Processor.prefPane」をダブルクリックでインストールすれば表れる。
また、CPUアーキテクチャの変更にともない、メモリー周りも大きく変わった。例えば、今までマザーボード上にあったメモリーコントローラーを各CPUに内蔵したり、メモリーの種類が「800MHz DDR2 ECC FB-DIMM」から「1066MHz DDR3 ECC SDRAM」に変わったりしている。CPUとチップセットを結ぶバスも、「FSB」(Front Side Bus)から「QPI」(QuickPath Interconnect)に変更された。
見た目は一緒だが、内部的には性能をアップさせるための新要素が詰まっている新Mac Pro。果たしてそのベンチマーク結果は……。