エプソンならではの高画質な印刷サンプル
印刷速度は実測で、テキスト10ページが2分36秒、1ページ当たりは約15秒(標準モード)と、最近のプリンタとしてはやや遅めだ。最速モードにすれば10ページで38秒とかなり速いのだが、印刷そのものが薄めになるので文書印刷にはあまり向いていない。パソコンからL判用紙に印刷した場合は“きれい”で1分27秒、メモリーカードからの印刷時間もほぼ同様だった。印刷結果は極めて良好で、肉眼ではまず粒状感は見えないし、薄い色の部分でもざらつきはまったくといったいいほど感じられない。
印刷サンプル デジタルカメラ画像を印刷したものを並べてスキャンした。PCからの印刷(上)、メモリーカードからの印刷(下)ともに約1分28秒。画像補正はどちらも“オートフォトファイン! EX”の標準設定だが、メモリーカードからの印刷のほうが若干明るい結果となった。拡大画像(パソコンからの印刷は左)は600dpiでスキャンしたものの等倍。 |
他社のプリンタではテキスト印刷用に黒インクだけノズル数が多くなっているが、同社ではカラー/黒ともに同数ノズルを採用しており、それが起因してモノクロの大量テキスト印刷では遅いという印象がぬぐえない。L判印刷でも他社製品よりもやや遅いものの、従来機に比べれば確実に速くなってきており、Colorioシリーズならではの高い画質もあってその実力はさらに高まったと言えるだろう。
上位モデルであるPM-T990やPM-A970ではファイル書き込み可能なDVD-R/CD-Rドライブを内蔵するなど、新しいファンクションを用意するが、PM-A920は従来の主力複合機そのままの機能を高めたものと言える。前後からのW給紙に加えて両面印刷(オプション)やブラッシュアップされた各種機能は、普及価格とも相まって安心して使える1台であり、従来のインクシステムを継承しながら印刷画質が高められているのは高く評価できる。無線・有線LANやBluetoothインターフェースに関してもオプションで対応できるため、拡張性も含めて安定した仕様の1台だ。
印刷サンプルに使用したデジタルカメラ画像。元画像は3072×2304ドット。640×480ドットにリサイズおよびトリミングしている。 |
“Colorio”PM-A920の主なスペック | |
製品名 | PM-A920 |
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印刷解像度 | 最高5760×1440dpi |
印刷速度 | 90秒(A4カラー、光沢写真用紙) |
使用インク | C/M/Y/Bk/ライトシアン/ライトマゼンタ(染料):各90ノズル |
用紙サイズ | A6~A4、名刺、カード、L判/2L判、KG、ハイビジョン、六切 |
給紙容量 | フロントトレイ:最大150枚(A4)、リアトレイ:最大150枚(A4)、ハガキ専用トレイ:最大30枚(フロント)/最大50枚(リア) |
スキャン解像度 | 3600×6400dpi |
スキャン階調 | 入力RGB各16bit/出力RGB各16bit |
液晶ディスプレー | 3.5インチTFT液晶パネル |
インターフェース | USB 2.0、IrDA、IEEE802.11b/g(オプション)、10/100BASE-TX(オプション)、Bluetooth(オプション) |
本体サイズ | 446(W)×432(D)×241(D)mm |
重さ | 約12.0kg |