日本シーゲイト(株)は8日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタン エドモントにプレス関係者を集め、業界初となるフラッシュメモリーとHDDを使用した“Hybrid”ドライブを含むHDD新製品、10機種を発表した。すべてのモデルで垂直磁気記録方式を採用する。価格は未定。
発表会の目玉は、同社初となる1.8インチHDD『ST18』(左)と業界初となる“Hybrid”ドライブ『Momentus 5400 PSD』(右) |
発表会には日本シーゲイト(株)代表取締役社長の小林剛氏が出席し、製品の紹介や新製品における市場の位置付け、今後の展望などについて説明した。
日本シーゲイト(株)代表取締役社長の小林剛氏 |
同社初の1.8インチHDD『ST18』シリーズ
『ST18』シリーズは、同社が従来カバーしていなかった1.8インチHDD市場を埋める製品で、ポータブルビデオプレーヤーなど携帯用機器向けのHDD。最大1500Gまでの耐久性を誇る“Gフォース保護”、同社の1インチHDDでも使用されている、ジョギングなど激しい運動をしてもデータ転送をスムーズに行なう“Run-Onテクノロジー”などが盛り込まれている。
- ST18シリーズ
- フォームファクター:1.8インチ
- HDD容量:60GB
- キャッシュ容量:2MB
- プラッター容量:60GB/1枚
- ディスク回転数:毎分3600回転
- インターフェース:CE-ATA、IDE
- 発売時期:来春
起動時間の短縮と省電力が売りの“Hybrid”ドライブ『MOMENTUS 5400 PSD』
『Momentus 5400 PSD』は、HDD内部に256MBのフラッシュメモリーを組み込んだ業界初となる“Hybrid”ドライブ。プラッター容量は80GBで、最大容量は160GBとなる。起動時、フラッシュメモリーに書かれたデータから立ち上がるため、起動にかかる時間を大幅に短縮できるのが利点だ。また、休止状態になる場合に、頻繁にアクセスされたデータをフラッシュ側に書き込むため、休止状態からのデータ使用がすばやくできる。小林氏によると、「発売は来春を予定しているが、Windows Vistaに合わせたタイミングになんとかしたい」という。
- Momentus 5400 PSD
- フォームファクター:2.5インチ
- HDD容量:最大160GB
- キャッシュ容量:8MB
- プラッター容量:80GB/2枚
- ディスク回転数:毎分5400回転
- インターフェース:Serial ATA 3Gbps
- 発売時期:来春
個人、中小企業向けストレージサーバー『Mirra Sync and Share Personal Server』
『Mirra Sync and Share Personal Server』は、中小企業向けのストレージサーバー『Mirra Personal Server 2.0』の次世代機。ネットワーク上のWindowsとMacintoshのデータ同期、共有やインターネット上のデジタルコンテンツへのアクセスが可能になる。『Mirra Personal Server 2.0』からの無料アップデートもサポートする。サーバー内のHDD容量は最大750GB。
その他発表されたモデルは以下のとおり。
ノートパソコン向け製品
- Momentus 5400 FDE.2
- ハードウェアベースで暗号化をかけられる2.5インチHDD
- フォームファクター:2.5インチ
- HDD容量:60/80/160GB
- キャッシュ容量:8MB
- プラッター容量:80GB/2枚
- ディスク回転数:毎分5400回転
- インターフェース:Serial ATA 1.5Gbps
- 発売時期:来春
- Momentus 7200.2
- 毎分7200回転のハイパフォーマンス2.5インチHDD
- フォームファクター:2.5インチ
- HDD容量:80/100/120/160GB
- キャッシュ容量:8/16MB
- プラッター容量:80GB/2枚
- ディスク回転数:毎分7200回転
- インターフェース:Serial ATA 1.5Gbps
- 発売時期:来春
デジタル機器向け製品
- DB35シリーズ
- デジタルビデオレコーダー向けの大容量3.5インチHDD
- フォームファクター:3.5インチ
- HDD容量:80~750GB
- キャッシュ容量:未公開
- プラッター容量:未公開
- ディスク回転数:毎分7200回転
- インターフェース:Serial ATA 1.5Gbps、IDE
- 発売時期:今秋
- LD25シリーズ
- ゲーム機や小型インターネット用パソコン向けの廉価版2.5インチHDD
- フォームファクター:2.5インチ
- HDD容量:20/40/60/80GB
- キャッシュ容量:2MB
- プラッター容量:未公開
- ディスク回転数:毎分5400回転
- インターフェース:Serial ATA 1.5Gbps、IDE
- 発売時期:来春
エンタープライズ向け製品
- Savvio 10K.2
- 最大146GBの容量を持つ、1Uラック製品にも最適な2.5インチHDD
- フォームファクター:2.5インチ
- HDD容量:73/146GB
- キャッシュ容量:未公表
- プラッター容量:未公表
- ディスク回転数:毎分1万回転
- インターフェース:3Gbps SAS、4Gbps FC(ファイバーチャネル)
- 発売時期:今夏
- Barracuda ES
- 最大750GBの容量を持つストレージシステム向け3.5インチHDD
- フォームファクター:3.5インチ
- HDD容量:250/400/500/750GB
- キャッシュ容量:8/16MB
- プラッター容量:188GB/2~4枚
- ディスク回転数:毎分7200回転
- インターフェース:Serial ATA 3Gbps、2Gbps FC
- 発売時期:今夏
ポータブルストレージ製品
- Pocket Drive
- 容量が5GBから8GBにアップしたポータブルストレージ
- HDD容量:最大8GB
- キャッシュ容量:2MB
- プラッター容量:未公表
- ディスク回転数:毎分3600回転
- インターフェース:USB2.0
- 発売時期:今秋
小林氏は発表会にて、「最近のHDD市場は容量が大きければいい、スピードが速ければいい、というわけではなく、さまざまなニーズがある。このニーズに合わせた製品の設定ができるかどうかが重要になる。今までHDD市場の製品ジャンルの97%をカバーしてきたが、今回の新製品で、8つのジャンル、42製品を投入でき、これによりほぼ100%をカバーできる」とコメント。カバーしていない0.85インチおよび0.65インチの超小型HDD市場については、「まだニーズとしては極少数である」とコメントした。
8つのジャンルで42製品を投入。超小型HDD市場を除く、市場のほぼ100%をカバーできる |